基質認識(木寺担当):モノヌクレオチド、糖の蛋白質結合部位についてのデータベースをほぼ完成した。結合部位立体構造のグラフ理論に基づいた総当たりの立体構造の比較結果を、Correlation mapという方法によって分類した。その際に、モノヌクレオチドに関しては、リン酸、フラノース、塩基の部分に分割し、それぞれについて、解析を行った。また、糖は、単糖、多糖の場合に分け、多糖については、単糖ごとの解析を行った。フォールドの比較法に関しては、確率的アラインメント法を確立した。また、β蛋白質、α/β蛋白質の通常のフォールドを越えるより広い枠組みの分類法を提案した。 立体構造変化(北尾担当):立体構造データベース解析では、2つのイムノグロブリン(Ig)ドメインからなる蛋白質のうち、(Iセットドメイン+C2セットドメイン)および(Vセットドメイン+C2セットドメイン)の場合についてドメイン間の結合様式を解析したが、結合のパターンには機能との相関は見られなかった。NMR解析では、CD2分子のように1つのIgドメインで他の分子と結合する場合には、CDRにある程度局所的だが協奏的に10〜13残基がゆらぐパターンが見られた。TCR(T Cell Receptor)のように2つのIgドメインが結合に関与する場合には、局所的な構造のゆらぎに加えて、更にドメイン間のゆらぎが現れることが分かった。
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