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2001 年度 実績報告書

プリオン蛋白の神経障害機構とGPIアンカーの役割

研究課題

研究課題/領域番号 13210008
研究機関東北大学

研究代表者

村本 環  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302096)

研究分担者 北本 哲之  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
キーワードプリオン / コンフォメーション / 変異 / GPIアンカー / アミロイド / 神経変性 / トランスジェニックマウス
研究概要

分泌型変異プリオン蛋白を発現するトランスジェニックマウスを作製した。変異蛋白は、その殆どが分子量約26kDの糖鎖構造を持たない分子種として発現された。トランスジェニックマウスへのプリオン接種実験を行ったところ、内因性プリオン蛋白と変異蛋白の両者を発現するマウスでは、高度アミロイド沈着を伴う劇症型プリオン病が起こり、潜伏期間が著明に短縮した。潜伏期間の短縮やアミロイド沈着の程度と、変異蛋白発現量との関係は不明瞭であった。
発症マウス脳組織内には、プリオンを接種された野性型マウスと同程度のプリオン増殖が認められた。内因性プリオン蛋白を発現せず、変異蛋白のみを発現するマウスヘプリオンを接種した場合には、海綿状変性や発病は認められず、高度アミロイド沈着のみが観察された。アミロイド沈着の程度は変異蛋白発現量と相関していた。脳組織中には蛋白分解酵素耐性の異常化した分泌型変異プリオン蛋白の存在が確認された。脳組織中でのプリオン増殖については、現在接種実験を用いて検討中である。プリオン非接種の場合、上記マウスには全く異常は認められなかった。これらのことから、プリオン蛋白によるアミロイド形成およびプリオン蛋白の異常化にはGPIアンカ-は不必要であること、分泌型変異プリオン蛋白発現はプリオン形成を少なくとも抑制しないこと、および異常型プリオン蛋白およびプリオン蛋白アミロイドはそれらのみでは海綿状変性を引き起こす充分条件ではないことが明らかとなった。今後の検討により、分泌型変異プリオン蛋白自身がプリオンを伝搬する能力が有るか否かを明らかにする。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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