研究概要 |
1)GluRlbトランスジェニックマウス 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ1(mGluRl)には数種のスプライスバリアントが存在する。そのうち、最も主要な蛋白質はmGluRla(α)である。Homer(Ves1)ファミリーは、mGluR1の細胞内局在、リガンド非依存的な受容体の活性化に関与していると報告されており、1aのC末端細胞内ドメインにだけ相互作用する。この1aのC末端細胞内ドメインの機能を決定するため、その領域を欠失した1bトランスジーンによるmGluR1欠損マウスのレスキュー,実験を行うため、mGluRlacDNAを改変し、mGluRlbcDNAを構築した。それをさらにL7プロモーターカセットに導入し、トランスジーンの構築を完成した。現在、このトランスジーンをmGluR1(+/-)受精卵にインジェクションし、トランスジェニックマウスを作成中である。 2)時期特異的mGluR1発現マウス mGluR1(+/-)受精卵に双方向性のテトラサイクリン応答因子(TRE)の調節下にmGluRlacDNAとlacZを同時に発現するベクターDNAをインジェクトし、mGluRl(+/-)TRE-mGluRl-lacZ Tgを得た。現在、プルキンエ細胞等でテトラサイクリン調節性トランス活性化因子(tTA)を発現するNSE-tTA Tgと交配中である。mGluR1(-/-)2重Tgではドキシサイクリンの投与により、mGluR1の発現を抑制することができ、時期特異的mGluR1発現マウスとなる。 3)空間特異的mGluR1発現マウス作成 小脳の小葉I-VIでのプルキンエ細胞で発現するPLCβ4遺伝子および小葉VI-Xでのプルキンエ細胞で発現するPLCβ3遺伝子のプロモーター下で発現するmGluR1トランスジェニックマウス作成のため、PLCβ3およびPLCβ4遺伝子をマウスBACライブラリーより単離した。
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