研究課題
特定領域研究
家族性アルツハイマー病の原因遺伝子プレセニリンはγセクレターゼ活性に必須である。γセクレターゼは本症の病原ペプチドであるβアミロイド(AR)の前駆体蛋白APPの膜内切断を通しAβの生成に関わり、その病原性を決定することから病態に深く関与している。本研究期間中の成果として、プレセニリンは複合体を成して機能すること、その構成蛋白ニカストリンはAPPのみならずNotchの切断にも必須であること(Nat Cell Biol,2001)、さらなる構成蛋白PEN-2はγセクレターゼの基質親和性を高め活性を亢進させること(J Neurochem,2004)などを明らかにした。さらに、病原性の高いAβ(AR_<42/43>)を生成するメカニズムの解明を目的に、γセクレターゼ活性を変化させるプレセニリン1(PS1)の変異スクリーニングを行った結果、プレセニリン自己切断やAβ_<40>生成に対する活性はいずれも喪失しながら、選択的にAβ_<43>を生成する特異なPS1変異としてR278I, L435Hを同定することに成功した(J Biol Chem,2005)。細胞生物学的解析およびyセクレターゼ阻害剤を用いた薬理学的な解析の結果から、PS1変異は複合体の高次構造に変化を与えることにより、γセクレターゼの切断部位特異性を変化させAβ_<42/43>生成を亢進させる可能性が示唆された。今後、この変異体を用いてAβ_<42/43>生成活性を選択的に抑制する新たな治療法開発を進める予定である。また、プレセニリンのγセクレターゼを介さない病態への寄与の可能性として、アポトーシス促進機能の分子メカニズムを検討し、それはFKBP38との結合を介し抗アポトーシス分子Bcl-2のミトコンドリア局在を負に調節する機能によること、病原変異はその機能を促進させ神経細胞死を助長させるという結果を得て報告した(Hum Mol Genet, in press)。
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