研究課題/領域番号 |
13210127
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
程 久美子 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50213327)
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研究分担者 |
高橋 史峰 日本医科大学, 医学部, 助手 (80328814)
浜田 剛 日本医科大学, 医学部, 助手 (30291727)
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 助手 (60271350)
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キーワード | 遺伝子 / 神経科学 / 脳 / 神経 / 脳神経疾患 / 発生分化 / 運動ニューロン / 細胞死 |
研究概要 |
神経細胞は発生の初期に過剰に産生され、分化の過程で約半数が死に至る。このような細胞死は自然細胞死と呼ばれるが、運動ニューロンの発生分化の過程でおこる自然細胞死は、標的(筋)由来の生存因子に依存すると考えられている。このような運動ニューロン自然細胞死に関わる分子、さらには成熟運動ニューロンの生存維持に関わる分子を同定し作用機序を解明していくことは、運動ニューロン病を始めとする種々の神経変性疾患発症機構の解明および治療法の開発に結びつくと考える。 私達は、ニワトリの自然細胞死が起こる胚期の運動ニューロンに対し生存活性を示す物質を骨格筋から、分別沈澱および一連のカラムクロマトグラフィーにより分離精製したが、最終的に単離されたものはタンパクではなくRNAであると結論された。そこで、筋よりtotal RNAを抽出してDEAE sepharose fast flow columnにより分画し、活性画分よりcDNAライブラリーを作製した。各クローンの塩基配列を決定して、候補と考えられるcDNA断片を得た。その配列を元に全領域をクローニングした結果、得られた遺伝子は、7SL-RNAのニワトリ相同遺伝子であることがわかった。in vitro transcriptionにより合成した7SL-RNAは、in vitroで運動ニューロン生存活性を示し、この活性はRNA分解酵素により失活した。in situ hybridizationの結果、7SL-RNAはニワトリ4日目胚では、骨格筋では検出されたが、運動ニューロンでは検出されなかった。神経筋接合形成直後の6日目胚腰部においては、骨格筋、脊髄運動ニューロンさらに後根神経節で特異的に検出された。しかし、このような局在の特異性は発生が進むに従って消失していった。本研究により、運動ニューロン自然細胞死に関わる物質として、タンパクではなくRNAが関与しているという新しい知見が提示されたことになる。さらに、signal recognition particleの構成分子と考えられていた7SL-RNAに新しい機能があることを示唆している。
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