研究課題/領域番号 |
13210147
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高島 明彦 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, チームリーダー (00154774)
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研究分担者 |
エマヌエル プラネル 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, 研究員
種村 健太郎 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, 研究員 (20332322)
崔 得華 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, 研究員
楯林 義孝 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, 研究員 (80342814)
宮坂 知宏 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, 研究員 (90342857)
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キーワード | タウ / FTDP-17 / 神経原線維変化 / GSK-3β / β-アミロイド / アルツハイマー病 / JNK |
研究概要 |
R406Wトランスジェニックマウスの作製と解析 CAMK IIプロモーター下流にR406W変異を持つ4リピートタウcDNAを組み込んだベクターを導入したタウマウスを作製した。発現量は内在性タウの20%程度であり、前頭部位に発現が見られた。18ヶ月令のこのマウスでV337Mと同様の性質を持つ神経原線維変化が海馬、大脳皮質等で観察された。更に行動観察において記憶の保持に障害が起こっていることが示された。すなわちこのマウスはADやR406Wの患者と類似した特徴を持つマウスモデルであることが示された。更に、タウリン酸化に関与する酵素の検討から変性を示す神経細胞ではGSK-3βと活性化JNKの蓄積が生じていることが明らかになった。 タウ過剰リン酸化と線維形成 上記GSK-3β及びJNKによるタウリン酸化の繊維化への影響を調べるため、アデノウィルスを用いた遺伝子導入法を用いてタウ、GSK-3β,JNK3,及びΔMEKKをCOS細胞に同時に発現させた。JNK3,及びΔMEKKの発現によってSer422を含む多くの部位においてタウのリン酸化亢進が観察された。更にGSK-3βを発現することによってPHF-tauに特異的な抗原であるAT100の抗体反応性の出現を含め使用した12カ所のリン酸化部位においてリン酸化亢進が観察された。すなわち、ADで見られるのと同様の過剰リン酸化が引き起こされることが示された。この細胞からSDS不溶性画分を回収して観察するとこの中にタウが含まれ、電顕観察において短いタウ陽性の構造物が観察された。このことから、タウの過剰リン酸化が線維形成に関与することが示された。
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