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2002 年度 実績報告書

β1インテグリンとその会合分子(CD9、CD82)の癌増殖、浸潤、転移での役割

研究課題

研究課題/領域番号 13216021
研究機関東京大学

研究代表者

森本 幾夫  東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)

キーワードβ1インテグリン / シグナル分子 / Cas-L / 関節リウマチ / taxトランスジェニックマウス / Fyn / lck / チロシンリン酸化
研究概要

β1インテグリン分子の下流シグナル分子Cas-LはヒトT細胞のIL-2産生や細胞遊走に重要な役割を果たしている。我々はβ1インテグリン分子下流のシグナル分子であるCas-L(Crk-associated substrate lymphocyte type)の関節リウマチの病態における役割を検討した。このためにヒトT細胞白血病ウイルスタイプ1(HTLV-1)taxトランスジェニックマウス及び関節リウマチ患者の滑膜検体を用いた。taxトランスジェニックマウスで関節炎を発生したマウス(Atg)は関節炎を発生していないtaxトランスジェニックマウス(Ntg)やその正常マウス(G)と比して脾細胞の細胞遊走能は有意に冗進していた。また脾細胞へのCas-L蛋白の発現及びそのチロシンリン酸化はAtgにおいて、Ntg及びCtと比して有意に冗進していた。さらにSrc型チロシンキナーゼであるFyn及びlckキナーゼの自己リン酸の冗進も伴っていた。さらに免疫組織染色の結果、Cas-L陽性リンパ球がAtgの病変関節に浸潤していた。さらにヒト関節リウマチ患者滑膜組織においてもCas-L陽性リンパ球、特にCD3陽性T細胞が関節炎症部位に多く浸潤していることが明らかになった。これらの結果からCas-Lは関節リウマチの病変に重要な役割を果たしており、さらにCas-Lシグナル分子のシグナルを阻害するような薬剤が関節リウマチなどの治療に用いうる可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki T: "MICAL, a novel CasL interacting molecule, associates with vimentin"J Biol Chem. 277. 14933-14941 (2002)

  • [文献書誌] Iwata S: "Distinctive signaling pathways through CD82 and β 1integrns in human T cells"Eur.J.Immunol. 32. 1328-1337 (2002)

  • [文献書誌] Ohnuma K: "G1/S cell cycle arrest provoked in human T cells by antibody to CD26"Immunol. 107. 325-353 (2002)

  • [文献書誌] Hase H: "CD27 and CD40 inhibit p53-independent mitochondrial pathways in apoptosis of B cells induced by B cell receptor ligation"J Biol Chem. 277. 46950-46958 (2002)

  • [文献書誌] Aytac U: "Effect of CD26/dipeptidyl peptidase IV on Jurkat sensitivity to G(2)/M arrest induced by topoisomerase II inhibitors"Br J Cancer. 88. 455-462 (2002)

  • [文献書誌] Miyaki-Nishijima R: "Role of Crk-associated substrate lymphocyte type in pathophysiology of rheumatoid arthritis in tax transgenic mice and humans"Arthr.and Rheum. (印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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