• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

Evi-1による白血病発症における転写抑制因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13216029
研究機関東京大学

研究代表者

黒川 峰夫  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80312320)

キーワード白血病 / Evi-1 / TGF-β / Smad3 / 転写抑制因子 / CtBP / HDAC
研究概要

Evi-1は2つの領域に分かれた10個のZnフィンガー構造を持つ転写因子をコードし、ヒトの白血病発症に重要な役割を果たす遺伝子である。われわれは以前にEvi-1がTGF-βのシグナル伝達分子のあるSmad3と核内で結合してTGF-βシグナルを抑制することを報告した。この抑制はEvi-1の2つの領域を介して行われ、Evi-1はその1つである第1Znフィンガー領域でSmad3と結合する。もう1つの抑制領域は第2ZnフィンガーのN端側であるが、今回われわれはこの領域のさらにN端側に隣接する部分に新たな抑制領域を同定した。この領域には転写抑制因子であるCtBPの認識配列が2ヶ所存在することが知られており、そのうちC端側の認識配列に実際にCtBPが結合することを明らかとした。またCtBPに結合できない変異型Evi-1はTGF-βシグナル伝達を十分に抑制できないことから、Evi-1とCtBPの結合がTGFβシグナル伝達の抑制に重要であることを明らかとした。さらにCtBPはヒストン脱アセチル化酵素HDACと結合すること、HDAC阻害剤がEvi-1によるTGF-βシグナル伝達の抑制を部分的に解除することから、Evi-1、CtBPおよびHDACを含む転写抑制複合体がSmad3の転写活性化能を阻害することが、Evi-1によるTGF-βシグナル伝達抑制の分子機構の一つであると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Izutsu, K., Kurokawa, M., Imai, Y., Maki, K., Mitani, K., Hirai, H.: "The corepressor CtBP interacts with Evi-1 to repress TGF-β signaling"Blood. 19. 2815-2822 (2001)

  • [文献書誌] Hirai, H., Izutsu, K., Kurokawa., M., Mitani, K.: "Oncogenic mechanisms of Evi-1 protein."Cancer Chemother Pharmacol. 48. S35-S40 (2001)

  • [文献書誌] Imai, Y., Kurokawa, M., Izutsu, K., Hangaishi, A., Maki, K., Ogawa, S., Chiba, S., Mitani, K., Hirai, H.: "Mutations of the Smad4 gene in acute myelogeneous leukemia and their functional implications in leukemogenesis"Leukemia Lymphoma. (in press).

  • [文献書誌] Izutsu, K., Kurokawa, M., Imai, Y., Ichikawa, M., Asai, T., Maki, K., Mitani, K., Hirai, H.: "The t(3;21) fusion product, AML1/Evi-1,blocks AMLI-induced transactivation by recruiting CtBP"Oncogene. (in press).

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi