研究課題/領域番号 |
13216082
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
苅谷 研一 琉球大学, 医学部, 教授 (40263371)
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研究分担者 |
武居 公子 琉球大学, 医学部, 助手 (90325861)
海川 正人 琉球大学, 医学部, 助手 (00325838)
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キーワード | 形態形成 / シグナル伝達 / TRC8 / Dexras1 / Rhes / がん |
研究概要 |
がん抑制遺伝子patchedは細胞膜受容体PTCをコードし、形態形成リガンドHedgehogの細胞内シグナル伝達に関与する。Trc8遺伝子は家族性腎細胞がんに関与するとして報告されたpatched類縁遺伝子である。TRC8の細胞内領域と相互作用する分子をYeast Two-Hybrid法を用いて検索し、COP9 signalosomeのサブユニット4、MSP58、及びforkhead-associated(FHA)ドメインを持つ新規分子を見出した。COP9 signalosomeは転写制御因子Junの活性を修飾するとされるシグナル分子複合体である。MSP58は悪性腫瘍細胞で強く発現する蛋白質p120と相互作用する分子で、Junの転写標的であり形質転換能を持つ分子(TOJ3)としても報告されている。FHAドメインを持つ新規分子は5'RACEにより全長ORFを得たが、機能は全く不明である。一方、グルココルチコイドはある種のがん細胞の細胞形態を正常化させるが、Dexras1はグルココルチコイドにより発現が誘導されるRasファミリー分子であり、3量体GTP結合蛋白質を介するシグナル伝達経路への関与が報告されている。また、RhesはDexras1の類縁分子であり、腫瘍新生血管内皮細胞に特異的に発現するとの報告もある。Dexras1と相互作用する分子としてPIBF1、EDD、及びアネキシンVIを、Rhesと相互作用する分子としてARMS、PP2AのB56ε制御サブユニット、及びBAI3を見出した。PIBF1はコイルドコイル分子、EDDは乳がん細胞において黄体ホルモンにより発現誘導されるHECTドメイン分子である。ARMSはNGF受容体の下流分子であり、B56εはWntシグナル伝達経路に関与するとされる。BAI3は機能不明の脳特異的膜蛋白質である。
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