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2001 年度 実績報告書

がんの形成・退縮とプログラム細胞死

研究課題

研究課題/領域番号 13216107
研究種目

特定領域研究(C)

研究機関国立がんセンター

研究代表者

北中 千史  国立がんセンター研究所, 生物物理部, 室長 (70260320)

研究分担者 口野 嘉幸  国立がんセンター研究所, 生物物理部, 部長 (60124418)
キーワードRas / プログラム細胞死 / アポトーシス / 神経芽腫 / カスパーゼ非依存的
研究概要

神経芽腫は自然退縮がしばしば見られる癌としてよく知られているが、そのメカニズムについてはほとんどわかっていない。神経芽腫の自然退縮のプロセスにアポトーシスとは異なったプログラム細胞死の関与が示唆されていること、Rasの発現が神経芽腫の予後良好因子であることなどに加え、最近の我々の研究からRasがヒトがん細胞に細胞特異的に非アポトーシス性プログラム細胞死を誘導することが明らかになってきた。これらの事実から我々は神経芽腫におけるRas蛋白質の高発現がアポトーシスとは異なったプログラム細胞死を誘導し、その結果腫瘍の自然退縮が起きているのではないかと考えた。この点を確認するためにまず神経芽腫の腫瘍サンプルを用いた免疫染色を行ったところ、自然退縮を起こしやすい神経芽腫のサブグループにおいてRasの高発現部位に一致してアポトーシスとは異なる細胞変性が高頻度に起きていることを認めた。また、in vitroにおいても、腫瘍サンプルで認められた所見に一致して、Rasの発現が神経芽腫細胞にアポトーシスとは異なった細胞死を誘導することを確認した。これらの結果はRasにより誘導される非アポトーシス性プログラム細胞死が神経芽腫の自然退縮に寄与している可能性を強く示唆している。また、このようなモデル実験系を用いてRasにより誘導される神経芽腫の細胞死の制御機構について解析を行ったところ、この細胞死はアポトーシスとは全く異なりカスパーゼの活性化を伴わずかつ必要とせず、Bcl-xLによっても抑制されないことなどが明らかになった。また、このような細胞死の制御に関わる分子についても明らかになりつつあり、現在詳細に検討を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kitanaka C, et al.: "Increased Ras expression and caspase-independent neuroblastoma cell death"J. Nati. Cancer Inst.. 94. 358-368 (2002)

  • [文献書誌] Sakurada K, et al.: "A cellular mechanism that reversibly inactivates pancaspase inhibitor zAsp"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 291. 1022-1030 (2002)

  • [文献書誌] Mochizuki T, et al.: "Akt protein kinase inhibits non-apoptotic programmed cell death induced by ceramide"J. Biol. Chem.. 277. 2790-2797 (2002)

  • [文献書誌] Muramatsu T, et al.: "Molecular mechanism of stop codon recognition by eRF1"FEBS Lett.. 488. 105-109 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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