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2001 年度 実績報告書

シアル酸の新規修飾機構によるがん細胞の浸潤・転移の抑制

研究課題

研究課題/領域番号 13216117
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

金森 審子  愛知県がんセンター, 分子病態学部, 研究員 (00261173)

研究分担者 神奈木 玲児  愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長 (80161389)
キーワード浸潤・転移 / 細胞接着 / セレクチン / シアル酸 / 遺伝子単離 / 発現クローニング法
研究概要

血流中を高速で流れるがん細胞の浸潤や転移は、接着分子セレクチンがリガンド分子と結合して細胞接着を生じることから始まる。我々は、セレクチンリガンド糖鎖である、硫酸化シアリルLe^x糖鎖上のシアル酸残基の新規な修飾構造(サイクリックシアル酸と表す)を見い出した。サイクリックシアル酸を有する硫酸化シアリルLe^xはセレクチン結合能が極めて弱く、この代謝経路は細胞表層でのセレクチンに対するリガンド活性の強さを、ひいてはセレクチンを介した細胞接着を調節すると考えられる。
本研究では、硫酸化サイクリックシアリルLe^xに特異的に反応するG159抗体を用いた発現クローニング法により、サイクリックシアル酸生成に携わる酵素、シアル酸シクラーゼの遺伝子単離を試みた。その結果、硫酸化サイクリックシアリルLe^xの発現を促進する複数の因子の存在が示唆された。現在、単離した各因子の同定と、それらの遺伝子をがん細胞に遺伝子導入し、がん細胞の浸潤・転移の抑制へ活用することを検討している。また、硫酸化シアリルLe^x発現細胞をカルシウムイオノフォアで処理することにより、硫酸化サイクリックシアリルLe^xが細胞表面に発現されることが確認された。がん細胞に刺激を加え、がん細胞の内因性シアル酸シクラーゼを活性化させることにより、浸潤・転移の抑制に応用する可能性についても検討を進めている他方、血管内の状態を再構築したフローシステムを用いた細胞接着実験系により、3種類のセレクチンの反応特異性の違いを詳細に検討し、糖鎖をになうコアタンパク質要求性等について従来提唱されてきたこととの相違点を明確にすることができた。各セレクチンの反応特異性の差異は、どのセレクチンがどのがんの転移に関与するかを明らかにする上で有用な情報になると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Uchimura K., El-Fasakhany F.M., Hori M., Hemmerich S., et al.: "Specificities of N-acetylglucosamine-6-O-sulfotransferases in relation to L-selectin ligand synthesis and tumor-associated enzyme expression"J. Biol. Chem.. 277. 3979-3984 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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