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2001 年度 実績報告書

活性化NKT細胞によるがん転移抑制機構と臨床応用に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 13218016
研究種目

特定領域研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

中山 俊憲  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50237468)

キーワードNKT細胞 / 肺癌 / NKレセプター / 細胞治療
研究概要

マウス及びヒトのNKT細胞は、糖脂質αガラクトシルセラミド、α-GalCerで活性化すると強い抗腫瘍作用を発揮する。この研究では、NKT細胞の腫瘍細胞認識機構を明らかにするために、NKT細胞特異的な新規遺伝子を同定し、遺伝子ノックアウトマウスを作成して生体レベルで解析を行っている。現在32個の遺伝子を同定した。これには、新規のケモカインレセプター様分子、NKレセプター分子などが含まれ、生体レベルでの機能解析のために、全てについてノックアウトマウスの作成などを進めている。NKレセプター様(CD94類似)分子の一つについては、GFPノックインノックアウトマウスの樹立が終わった。肺癌細胞Lewis Lung Carcinomaの肺転移の動物実験モデルでは、α-GalCerをパルスした樹状細胞を投与し、内在するNKT細胞を活性化することによって転移がほぼ完全に抑制できる。原発性の肺癌患者60例、健常コントロール20例で末梢血中のNKT細胞の数を計測したところ、患者では減少していることが分かった。しかし、組織型、stageによる差はないことが判明した。0.1-0.01%と微量にしか存在しないが、NKT細胞の機能は患者群と健常コントロールの間において、有意な差はないことが分かった。さらに、末梢血の単核球のα-GalCerの提示能も保持されており、人の肺組織のNKT細胞の単位重量あたりの数についてもマウスをほぼ同じであった。従って、α-GalCerをパルスした自己樹状細胞を用いた細胞治療によって、肺癌の肺転移をターゲットにして治療効果が期待できることが分かった。さらにGMPレベルのプロトコールを確立し、α-GalCerをパルスした自己樹状細胞を用いてphase Iレベルの臨床研究を開始した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shin, T. et al.: "Inhibition of tumor metastasis by adoptive cell transfer of IL-12-activated Vα14 NKT cells"Int. J. of Cancer. 91. 523-528 (2001)

  • [文献書誌] Seino, K. et al.: "Requirement for NKT cells in the induction of allograft tolerance"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98. 2577-2581 (2001)

  • [文献書誌] Kimura, M. et al.: "Regulation of Th2 cell differentiation by mel-18, a mammalian polycomb group gene"Immunity. 15. 275-287 (2001)

  • [文献書誌] Sharif, S. et al.: "Activation of natural killer T cells by α-galactosylceramide treatment prevents the onset and recurrence of autoimmune Type 1 diabetes"Nature Medicine. 7. 1057-1062 (2001)

  • [文献書誌] Nakayama, T. et al.: "The generation of mature, single-positive thymocytes in vitro is dysregulated by CD69 blockade or overexpression"J. Immunol.. 168. 87-94 (2002)

  • [文献書誌] Suto.A.et al.: "CD4^+ CD25^+ T-cell development is regulated by at least 2 distinct mechanisms"Blood. 99. 555-560 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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