Apollonによる細胞死制御機構

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13218023
• 研究種目: 特定領域研究(C)
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00198011)
• キーワード: Apollon / IAP / アポトーシス / カスパーゼ

研究概要

ApollonはIAPファミリータンパク質のひとつで、グリオーマ、卵巣がん、腎がん細胞などで発現している。Apollonを高発現したグリオーマは抗癌剤耐性を示すこと等から細胞死制御に関与すると推測されるが、その分子機構は明らかではない。Apollonの全長cDNA発現ベクターを作製し細胞に遺伝子導入したところ、500kDaのApollon全長タンパク質が発現し、細胞はアポトーシス耐性を示した。この結果から、Apollonは他のIAPファミリ-と同様アポトーシス阻害タンパクであることが明らかになった。ApollonのBIRドメインを含む領域はApollon全長タンパクと同様にアポトーシスを阻害したが、UBCドメインを含む領域ではアポトーシスを阻害しなかったことから、Apollonによる細胞死制御にはBIRドメインが重要であることが示された。in vitroでの解析の結果、ApollonのBIRドメインはCaspase3を阻害する事がわかった。またApollon結合タンパクを解析した結果、AppllonはSmacと強く結合することが明らかになった。これらの結果からApollonはSmac結合とCaspase阻害によりアポトーシスを制御していることが示された。

研究成果

• [文献書誌] Kakee, A et al.: "Efflux of suppressive neurotransmitter, GABA--"J. Neurochem.. 79. 110-118 (2001)
• [文献書誌] Matsuo, H. et al.: "Possibility of the reversal of multidrug----"J. Cont. Release. 77. 77-86 (2001)
• [文献書誌] Naito, M. et al.: "MS-209, a quinoline-type reversal agent----"Clin. Cancer Res.. 8. 582-588 (2002)
• [文献書誌] Ikegawa, T. et al.: "Inhibition of P-glycoprotein by flavonoid----"Cancer Lett.. 177. 89-93 (2002)
• [文献書誌] Yu, L.-H.et al.: "Induction of mammalian cell death by a plant---"FEES Lett.. 512. 308-312 (2002)