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2003 年度 実績報告書

DNA塩基配列を正確に読み取るテーラーメード抗がん剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13218046
研究機関京都大学

研究代表者

杉山 弘  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50183843)

研究分担者 板東 俊和  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20345284)
キーワードピロール-イミダゾールポリアミド / 配列特異的DNAアルキル化 / 遺伝子発現制御 / DNAチップ / テーラーメード抗がん剤 / 塩基配列認識
研究概要

今年度、固相合成法と組み合わせたアルキル化ヘアピン型ポリアミドの実用的な分子設計に成功し、生物実験等で必要になる量の供給経路が確立した。
そこで、アルキル化ポリアミドを用いて、がんの分子生物学的知見に基づいたターゲティングを行い、遺伝子機能(mRNAへの転写、蛋白質への翻訳)に与える効果や塩基配列特異的アルキル化との関連性を評価・検討した。その結果、標的とする塩基配列を、遺伝子のmRNA発現に共有されているプロモーター領域のみに限らず、タンパク質の遺伝情報が集約されているコーディング領域に拡張することに成功した。すなわち、その配列特異的アルキル化による蛋白コード領域を標的配列としたmRNAやタンパクの発現制御を実現した。
また、ヒト肺ガン細胞に対する発現に対する効果を、強い抗細胞活性を示したアルキル化ポリアミド分子を用いて、DNAチップを用いて解析した結果、細胞増殖抑制に関して、Rasを通して最終的にサイクリンBを抑えながらアポトーシスが引き起こされることが示された。さらに、2種の異なる配列特異性をもつアルキル化ポリアミド分子に対しても、DNAチップを用いて解析した結果、いくつかの遺伝子に関して、配列特異性の差異に由来する興味深い遺伝子の抑制が観察された。
ラットを使ったポリアミド分子の細胞および核への透過性や経口投与による臓器移行性の確認もできた。従って、溶解性の改善など、薬剤としての最適化を進めながら、現段階までに得られた情報を総合的に解析し、小児がん、膀胱がん、前立腺がんなどの特定のがん細胞に対し特異的に作用する目的のテーラーメード抗がん剤の開発が進んだ。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Oyoshi, T., Sugiyama H.: "Efficient C2'α-Hydroxylation of Deoxyribose in Protein-Induced Z-Form DNA"J.Am.Chem.Soc.. 125・6. 1526-1531 (2003)

  • [文献書誌] Bando, T., Sugiyama, H.: "Highly Efficient Sequence-Specific DNA Interstrand Cross-linking by Pyrrole-Imidazole CPI Conjugates"J.Am.Chem.Soc.. 125・12. 3471-3485 (2003)

  • [文献書誌] Oyoshi, T., Sugiyama, H.: "Inhibition of Transcription at a Coding Sequence by Alkylating Polyamide"J.Am.Chem.Soc.. 125・16. 4752-4753 (2003)

  • [文献書誌] Xu, Y., Sugiyama, H.: "8-Methylguanosine : A Powerful Z-DNA Stabilizer"J.Am.Chem.Soc.. 125・44. 13519-13524 (2003)

  • [文献書誌] Tashiro, R.Sugiyama, H.: "Unique Charge Transfer Properties of the Four-base π-Stacks in Z-DNA"J.Am.Chem.Soc.. 125・50. 15282-15283 (2003)

  • [文献書誌] Bando, T., Sugiyama, H.: "Sequence Specificity, Reactivity, and Antitumor Activity of DNA-Alkylating Pyrrole-Imidazole Diamides"Chem.Biol.. 10・8. 751-758 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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