研究課題/領域番号 |
13218056
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
竹下 明裕 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00242769)
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研究分担者 |
大西 一功 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80252170)
吉田 均 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30303548)
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キーワード | CD33 / 抗体療法 / P糖蛋白質 / 薬剤耐性 / CD34 |
研究概要 |
薬剤の選択性と高め毒性軽減のための治療的工夫として期待されている抗体療法の急性骨髄性白血病(AML)に対する効果を検討した。gemtuzumab ozogamicin(CMA-676)は抗CD33抗体と抗腫瘍性抗生物質calicheamicinを結合した薬剤で、CD33陽性細胞選択的に殺細胞効果を発揮するが、AML臨床検体における検討ではP糖蛋白質(P-gp)発現例CD34陽性例での効果の減弱を認めた。急性前骨髄球性白血病(APL)ではCD33の発現量は多く、P-gpとCD34発現量が少ないとされCMA676は有望な抗体療法である。耐性克服剤はP-gp発現例でCMA-676の効果を増強した。亜砒酸はAPLに対して優れた効果を持つ一方でその副作用も多いことから抗CD33抗体を結合させるのに理想的な有機砒素化合物を探索した。o-Arsanilic acid、P-Arsanilic acidはともに5価の砒素化合物であり亜砒酸と比較して殺細胞効果が弱かった。Oxophenarsineは3価の砒素化合物でありニトロ基も有していることより理想的な化合物であると思われたが不安定な化合物で加工には適さないと判断された。Phenylarsineoxide(PAO)は殺細胞効果が亜砒酸より高く、mitochondrial pathwayをより強く活性化すると考えられ、抗CD33抗体との結合化合物として適していると考えられた。
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