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2002 年度 実績報告書

導入遺伝子の長期発現増強法を用いた転移性癌の遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13218069
研究機関大阪大学

研究代表者

金田 安史  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)

キーワードトランスポゾン / トランスポゼース / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / HVJ-liposome / HVJ envelope vector
研究概要

導入遺伝子発現の維持のために染色体ゲノム内への組み込み効率を上げる研究を行った。魚類のトランスポゾンとトランスポゼース(Sleeping Beauty)の共導入システムを利用しトランスポゾンの2つの配列の間にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したプラスミド(SV40 promoter)とCMVプロモーターによってトランスポゼースを発現するプラスミドを作成し、HVJ-anionic liposomeによってマウス骨格筋に導入した。経時的にルシフェラーゼ活性を測定したところトランスポゼースのプラスミドを用いないと2-3週間でルシフェラーゼ発現が低下したが、トランスポゼースを用いると6ヶ月にわたって発現が低下せず1週間後のレベルが維持された。しかし6ヶ月の時点での挿入の確認がまだ得られていない。
導入遺伝子発現の増強のために、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤である抗癌剤FR901228を用い、この薬剤が癌自殺遺伝子治療の効果を増強できることを示すことができた。メカニズムの1つはアポトーシスの増強である。FR901228は血中での半減期が87分と不安定であるので安定に徐放化するためにポリ乳酸にFR901228を封入することにより腫瘍組織内で約3日間にわたって優位な導入遺伝子発現増強効果を得ることができた。
遺伝子導入法については新たに開発したHVJ envelope (HVJ-E) vectorが癌組織への遺伝子導入においてもHVJ-liposomeと比較して同等以上の導入効率を有することが明らかになった。このベクターを静脈内注入すると脾臓へ遺伝子導入することができ、中でも抗原提示細胞の多いmarginal zoneに集中することがわかった。HVJ-Eは初代培養細胞への導入効率は従来法のどれよりも高く、マウス骨髄由来の樹状細胞への遺伝子導入効率は99%であった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yamamoto, S.: "A novel combination of suicide gene therapy and histone deacetylase inhibitor for treatment of malignant melanoma"Cancer Gene Therapy. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Tomita, N.: "Targeted Gene Therapy for Rat Glomerulonephritis using HVJ-immunoliposomes"J. Gene Medicine. 4. 527-535 (2002)

  • [文献書誌] Kaneda, Y.: "HVJ (hemagglutinating virus of Japan) envelope vector as a versatile gene delivery system"Molecular Therapy. 6. 219-226 (2002)

  • [文献書誌] Tanaka, M.: "Induction of a systemic Immune response by a polyvalent melanoma-associated antigen DNA vaccine for prevention and treatment of malignant melanoma"Molecular Therapy. 5. 291-299 (2002)

  • [文献書誌] Endoh, M.: "Fetal gene transfer by intra-uterine injection with microbubble-enhanced ultrasound"Molecular Therapy. 5. 501-505 (2002)

  • [文献書誌] Taniyama Y.: "Local delivery of plasmid DNA into rat carotid artery using ultrasound"Circulation. 105. 1233-1239 (2002)

  • [文献書誌] Kaneda, Y.: "Pharmaceutical Gene Delivery Systems"Alain Rolland and Sean Sullivan(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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