研究課題/領域番号 |
13218142
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
水口 裕之 国立医薬品食品衛生研究所, 基盤研究第三プロジェクトチーム, 副プロジェクト長 (50311387)
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研究分担者 |
川端 健二 国立医薬品食品衛生研究所, 基盤研究第三プロジェクトチーム, 主任研究官 (50356234)
櫻井 文教 国立医薬品食品衛生研究所, 基盤研究第三プロジェクトチーム, 研究員 (70370939)
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キーワード | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / ファイバー / ターゲティング / 癌 |
研究概要 |
組織特異性を有したアデノウイルスベクターの開発には、nativeのアデノウイルスの受容体であるCAR(coxsackievirus-adenovirus receptor :第1の受容体)やαvインテグリン(第2の受容体)、ヘパラン硫酸(第3の受容体)を認識せず、ファイバーノブのHIループやC末端コード領域などに挿入した外来ペプチドを介して細胞特異的受容体を認識してのみ感染するベクターシステムの開発が必要である。本年度は、昨年度までに基本ユニットを開発済みのファイバーノブのFGループとペントンベース、ファイバーシャフトの3領域を同時に改変することで、上記の3つの受容体とは結合しないトリプルミュータントアデノウイルスベクターの改良を行った。CARとの結合能を除去するためのファイバーノブの変異として、FGループに変異(アミノ酸欠損)をもったベクター(昨年度に開発済み)に加え、ABループに変異(アミノ酸変異)を有したトリプルミュータントアデノウイルスベクター(ペントンベースのRGDモチーフの欠損、およびファイバーシャフト領域を35型アデノウイルス由来に置換)を作製した。これらのベクターの遺伝子導入・発現特性を検討したところ、ABループに変異を加えたベクターでは更なる遺伝子発現能の減弱が認められ、in vitroとin vivo(マウス)の両条件化でmock群に近いレベルの活性しか認められなかった。従って、特定の臓器で目的遺伝子の発現を起こさないアデノウイルスベクターの更なる改良に成功し、ターゲティングアデノウイルスベクターのための基盤ベクターになりうるものと期待された。
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