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2002 年度 実績報告書

ストローマ細胞に発現する造血関連遺伝子の同定と応用

研究課題

研究課題/領域番号 13218144
研究機関国立がんセンター(研究所)

研究代表者

上野 博夫  国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 室長 (60332368)

キーワード成体幹細胞 / 造血微小環境 / 骨髄ストローマ細胞 / 膜蛋白質 / 遺伝子クローニング / シグナル配列単離法 / 再生医学
研究概要

近年造血幹細胞を含む成体幹細胞を再生医学に応用する研究が注目されているが、その臨床応用を視野に、in vitroにおけるその増幅および分化制御法の確立が重要な課題となっている。こうした目的において、成体幹細胞の生体内における制御機構、とりわけ幹細胞の存在する微小環境との相互作用について充分に理解する必要がある。私達は造血幹細胞の生存・増殖に骨髄内造血支持細胞であるストローマ細胞が必要である点に着目、造血支持活性を有するストローマ細胞株OP9細胞からシグナル配列単離法を用いて膜・分泌蛋白質をコードする遺伝子を単離し、その機能を解析した。昨年度までの本研究においてマイクロアレイ法、RT-PCR法、ノーザン解析法にて、ストローマ細胞の造血支持活性を増強すると報告されている増殖因子leukemia inhibitory factor(LIF)の刺激によるRNAレベルの発現量の変化および、組織発現部位の解析結果より未知遺伝子7個にしぼりその機能を解析した。Long-term culture initiating cell assay(LTC-IC法)にて、そのうちの一つ、SST-4を高発現させたストローマ細胞の造血支持能が増加することがわかり、その機序につき検討した。SST-4はI型膜蛋白質で、脳と骨髄ストローマ細胞に限局した発現を示している。またSST-4はマトリックスメタロプロテネース(MMP)によって細胞外領域が切断されて細胞外に分泌されることがわかった。siRNAによりストローマ細胞のSST-4の発現を抑制すると、ストローマ細胞の造血支持能が有意に低下することが判明した。以上の結果より、SST-4は骨髄内ストローマ細胞に発現し、その造血支持能に関与していることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ueno H, Sakita-Ishikawa M, Morikawa Y, Nakano T, Kitamura T, Saito M: "A stromal cell-derived membrane protein that supports hematopoietic stem cells"Nature Immunology. (印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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