研究分担者 |
増原 英彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40280937)
青山 幹雄 南山大学, 数理情報学部, 教授 (40278073)
柴山 悦哉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80162642)
金子 知適 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00345068)
五十嵐 淳 京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (40323456)
|
研究概要 |
インターネットに代表される分散環境で稼動するソフトウェアや,通信機器,自動車,家電など組込みソフトウェアのように,分散性,並行性,応答性を持つソフトウヱアの開発には,コンポーネント(部品)ベースの開発技術を用いるのが有効であり,実際そのような実現形態が普及しつつある.しかし,コンポーネントに基づくソフトウェアの信頼性をいかに確保するかは,大きな課題である.われわれは,平成13年度からこの課題に取り組み,まず基礎的な調査と探求的な試験研究を行った.平成14年度はこれを受け,研究に具体的に大きな進展を見た.その主な成果は以下の通りである. ・ソフトウェアのコンポーネント化とそれを合成してシステムを組み立てるためのアーキテクチャ技術として,「役割モデルEpsilon」を提案し,その実装言語として"Bunraku"を開発した. ・コンポーネントの機能や結合を柔軟にするには,自己反映計算の技法を活用することが有効である.しかし,自己反映計算を用いると,一般に性能が大きく低下する.部分計算の手法を用いてその性能を向上させる手法を提案した. ・アスペクト指向技術はコンポーネントのモジュール構造を柔軟に変化させ組み合わせるための技術として,大きく注目を浴びている.しかし種々提案のあるアスペクト指向計算の意味論は,これまであまり明確にされてこなかった.そこでアスペクト指向計算の原理を明らかにするモデルを提案し,それに基づいたシミュレーションシステムを実装した. ・コンポーネントの汎用性を高め再利用性を増すには,パラメータ型の導入が有効である.しかし,パラメータ型とそれを組み入れたクラス間の型の包含関係は複雑であり,簡明な記述力を持ちながら健全な型システムを提供することはこれまで難しかった.ここではそのための新しい計算モデルを提案し,コンポーネントの汎用性と信頼性を同時に確保する方向を示した. ・コンポーネントベースの具体的な適用ソフトウェアとして注目されるのが,Webサービス・ソフトウェアである.ここではWebサービス・ソフトウェアをコンポーネントベースで開発するための方法論を提案した.
|