研究分担者 |
柴山 悦哉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80162642)
中島 震 国立情報学研究所, ソフトウェア研究系, 教授 (60350211)
鵜林 尚靖 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80372762)
増原 英彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40280937)
五十嵐 淳 京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (40323456)
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研究概要 |
コンポーネントをいかに構築するかという技術と,コンポーネントおよびそれから合成されるシステムの信頼性をいかに向上させるかという技術の開発を目標に,平成17年度は最終年度としてこれまでに開発した技術を集大成し,一つの開発環境の下での統合化を行った.統合された成果の特徴は,以下に挙げるように新しいコンポーネントの構築技術(アスペクト指向と役割モデルに基づくもの)とその上での検証技術を,具体的に実装したことである. ・ソフトウェアのコンポーネント化とそれを合成してシステムを組み立てるためのアーキテクチャ技術として,役割モデル「Epsilon」とその実装言語"EpsilonJ"の仕様を定め,実装した.さらに言語仕様の形式化を行った. ・コンポーネントの動作時の性能を確保するために,汎用コンポーネントから個々の具体的な使用状況に特化したコードを自動生成し,実行時オーバーヘッドを削減する方式を提案した.また,動的修正の一形態として,コンポーネントが提供する機能の動的無効化の方式を提案した. ・ソフトウェア開発の上流工程で作成する設計記述を対象として,織込みの系統的な方法を考案した.UMLが提供する表現方法の中で,特に重要な2つの記法,すなわち,クラス図と状態図に対して織込み方法を提案し,また織込みの正しさを検証するための検証技術を開発した. ・アスペクト指向言語の代表であるAspectJに対し,ユーザが記述したプログラム解析をコンパイルするコンパイラを提案し開発した.それにより表現力の高いポイントカットの記述と,その実行の効率化が実現された. ・コンポーネントの再利用性と安全性を両立させるための型理論として,相互再帰的クラスのための型システムを提案した.具体的にはErnstの族多相機構を,表現力を確保しながら大幅に単純化することに成功した.
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