研究課題/領域番号 |
13224016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須藤 修 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10179286)
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研究分担者 |
出口 弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60192655)
田中 秀幸 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (30332589)
榊 俊吾 東京工科大学, メディア学部, 助教授 (20367204)
後藤 玲子 茨城大学, 人文学部, 講師 (10375355)
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キーワード | 情報経済 / 制度設計 / 持続的発展 / 情報セキュリティ / 電子地域コミュニティ / 地域ITマネジメント / エージェント・ベースド・モデリング / 地域クラスター |
研究概要 |
本研究は、IT革命を契機として社会構造が動的に変動する中で、(1)ITがもたらす社会的構成要素間の相互作用と、それを通じた社会変動プロセスを総合的・明示的に分析評価し、(2)社会変動に伴う社会的コンフリクトを極力抑止しながら社会的厚生を増大させる新たな社会制度を構想することを目的としている。5年間の研究期間の最終年度にあたる今年度は、これまでの理論研究と実証分析を総括して、情報経済下における包括的な社会変動シナリオ及び社会制度構想をとりまとめた。 まず、昨年度までに開発したシミュレーション分析に基づいて日米ハイテク企業の投資態様を実証的に比較検討し、なぜ1990年代の日本経済の生産性伸び率が米国のそれより劣っていたのかを明らかにした。そして、知識集約型社会において一国経済の生産性を持続的に高めるためには地域クラスターを創成・強化することが重要であることを示し、クラスターの菌床となりうる地域情報化の経済効果を分析評価した。その結果、地域情報化を持続的発展につなげるためには、地域情報化の取組みを通じて構築される地域ITシステムを、知識共有及び主体間の連携を促し、イノベーションを活性化させるプラットフォームとして機能させなければならないことが示された。かかる機能は、企業や行政が単独で構築するITシステムの寄せ集めでは獲得されない。インターネットやセンサー・ネットワークが張り巡らされる高度情報社会においては、異なる社会的構成要素の間で活発な相互作用が生じて、ミクロ最適とマクロ最適との間に乖離が生じやすいからである。そこで、ミクロとマクロの整合性を確保して情報化を経済社会の持続的発展につなげるために、ネットワーク型TTPが地域という単位で地域ITマネジメント・サービスを安定供給するというビジネスモデルを構想すると共に、情報セキュリティ・マネジメントに関する政策提言を行った。
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