研究課題/領域番号 |
13226015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北 潔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
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研究分担者 |
鳥居 本美 愛媛大学, 医学部, 教授 (20164072)
三芳 秀人 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20190829)
原田 繁春 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80156504)
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キーワード | マラリア / ミトコンドリア / 呼吸鎖 / 複合体II / 薬剤開発 / 低酸素適応 / コハク酸脱水酵素 |
研究概要 |
本研究では寄生適応に必須な基本要素である各種代謝系のなかでも特にエネルギー代謝系に焦点を絞り、マラリア原虫ミトコンドリア電子伝達系の特異性を解析することにより、最終的に化学療法の標的として捉えたいと考えている。最近、活性を保持したミトコンドリアの単離法を確立し、これまで不可能とされていた生化学的アプローチを可能にした成果をふまえ、熱帯熱マラリア原虫におけるエネルギー代謝系を先端的なエネルギー転換系研究の視点から追求し、細胞質とオルガネラの協調的役割、また生活環におけるその変動を解析しマラリア原虫、ひいては寄生現象全般に共通する適応戦略の分子基盤とその多様性を明らかにする事を目的としている。平成13年度は以下の成果をあげる事ができた。 (1)マラリア原虫複合体II(コハク酸脱水素酵素複合体)の酵素学的性質:複合体IIはTCA回路の酵素であると同時に呼吸鎖の脱水素酵素であり、両者を直接結ぶ重要な酵素である。また、ミトコンドリアのマーカー酵素としても知られている。単離したミトコンドリアを用いて哺乳類複合体IIとの酵素学的相違を解析した結果、阻害剤に対する感受性が大きく異なっている事が明らかになった。 (2)マラリア原虫複合体IIの細胞内局在:鉄-イオウクラスターサブユニットに対する特異抗体を用いて行った蛍光抗体法による解析から、核、食胞そして細胞質と明らかに異なり、ミトコンドリアの局在を示すと考えられるシグナルが観察された。 (3)マラリア原虫DHODH(ジヒドロオロト酸脱水素酵素)の酵素学的性質:通常、ピリミジン合成系の第4酵素であるDHODHはその還元力を呼吸鎖に伝達している。しかし、これまでその詳細な生化学的解析は行われていなかった。そこで、我々の方法で調製したミトコンドリアを用いて調べた結果、極めて高い活性が観察され、またスクリーニングにより天然物由来の特異的阻害剤を見い出す事ができた。
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