二次感染時の速やかな病原菌の排除には、メモリーCD8^+ T細胞が速やかにエフェクター機能を獲得することが重要である。しかしながらインターロイキン(IL)-15の二次免疫応答での役割は明らかになっていない。本年度はIL-15トランスジェニック(Tg)マウスおよびIL-15ノックアウト(KO)マウスを用いてIL-15の二次免疫応答での役割を明らかにした。抗原特異的メモリーCD8^+ T細胞は、卵白アルブミン(OVA)_<257-264>特異的T細胞レセプターのTgマウスであるOT-Iマウス(Ly5.1+)からナイーブCD8^+ T細胞を単離しC57BL/6マウスに移入後リコンビナントOVA産生Listeria monocytogenes (rLM-OVA)を感染させ誘導した。一次感染40日後にメモリーOT-I細胞を単離しCFSEで蛍光標識し、C57BL/6マウス、IL-15 TgマウスまたはIL-15 KOマウスに経静脈的に移入し24時間後にrLM-OVAを感染させ、経時的にその細胞分裂と細胞内グランザイムBの発現をフローサイトメーターを用いて解析した。二次免疫応答における細胞分裂は、IL-15TgマウスとIL-15KOマウスで顕著な差はなかったが、グランザイムBの発現は、感染後2日目でコントロールマウスと比較してIL-15 Tgマウスで有意に高くIL-15 KOマウスでは低下していた。また、メモリーOT-I細胞を移入したこれらのマウスで感染2日後にOVAペプチドをパルスした脾臓細胞を標的細胞として移入しIn vivo細胞傷害活性を調べると、グランザイムBの発現に相関してIL-15 Tgマウスで有意に高くIL-15 KOマウスでは低下していた。以上、IL-15は、メモリーCD8^+ T細胞の二次免疫応答における早期の活性化において重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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