研究課題/領域番号 |
13226058
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80142305)
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研究分担者 |
三田村 俊秀 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80268846)
有末 伸子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00242339)
田井 久美子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (00187907)
石橋 正英 (財)阪大微生物研究会, 観音寺研究所, 所長(研究職) (70029776)
川本 文彦 大分大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (40115556)
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キーワード | マラリアワクチン / SE36蛋白質 / P.falciparum / 臨床試験 / 疫学調査 / P.vivax |
研究概要 |
我々は熱帯熱マラリア原虫の主要な抗原蛋白質であるSERA (Serine repeat antigen, SERA5)をもとにマラリアワクチンの開発を進めている。本年度の主要な成果は以下の通りである。 1.SE36マラリアワクチンは、SERA5に由来する組換え蛋白質(36kDa)を大腸菌で生産し、酸化アルミに吸着させたものである。(財)阪大微生物病研究会・観音寺研究所においてGMP(Good Manufacturing Practice)基準を遵守して製造を行った臨床治験薬の日本国内における第I相臨床試験を実施した。臨床試験は(株)富士バイオメディックスに委託し、つくば市の観音台クリニックにおいて実施された。接種容量は50μgと100μgの2ドーズとし、それぞれのグループは15名のワクチン接種群と5名の対照群の計20名の35歳以下の成人男性とした。両グループにおいて安全性が確認された。 2.熱帯熱マラリア原虫の9つのSERAファミリー遺伝子をもとに、Plasmodiumu属の他の6種類のマラリア原虫ゲノムを検索し、SERAファミリー遺伝子の進化系統を推測した。その結果、SERA8遺伝子は全てのPlasmodium属に保存されており、熱帯熱マラリア原虫のSERA5遺伝子は進化の最終段階で出現したものであることが示された。また、熱帯熱マラリアとともに感染者の多い三日熱マラリア原虫のSERAファミリー遺伝子の発現解析を行い、熱帯熱同様に全てのSERAファミリー遺伝子が同期して発現している可能性が示され、SERA遺伝子を基にした三日熱マラリアワクチンの開発に展望が見いだされた。
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