研究課題
1、4年計画の第3年に当たる本年度は、調査・資料収集に重きを置いた。2、高野山金剛峯寺蔵の中尊寺金銀字一切経のうちの476巻(通し番号3694〜4169)について、以下のような調査を行い、そのデータを収集した。(1)表紙・見返絵の図様・法量、紙数などのデータ収集および軸端・紐の検討。(2)表紙・見返絵・巻末について、6×12サイズのカラー・モノクロ撮影。(3)墨書・墨印等については、高解像度赤外線カメラ・システムで常時監視し、認知されたものについては、高性能デジタル・カメラにて撮影した。その画像はコンピュータに保存した。今回の調査でも多数の墨書(花押類)および墨印が発見された。(4)調査データを取り終えた経巻について、表紙を含む全巻のマイクロ撮影を行い、その過程で以前見落とした墨書等について赤外線撮影を行なった。新たな仮名書き墨書も2箇所発見した。3、以上の調査は高野山霊宝館で行なった。4、各館の調査データすべてをコンピュータに入力し、データの整理・蓄積を図った。5、モノクロ撮影分はキャビネサイズに焼き付け、カラー・フィルムは逐次フォトCDに画像記憶した。6、調書は随時スキャナで画像としても記録し、保存を図った。