都市のユニバーサリズム、ナショナリズム、ローカリズム-都市の本質的なりたちに関する基盤的研究-

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13301008
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 浅野 慎一 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40202593)
• 研究分担者: 大城 直樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (00274407) ; 佐々木 衛 神戸大学, 文学部, 教授 (60136398) ; 岩崎 信彦 神戸大学, 文学部, 教授 (20086052) ; 山本 賢治 神戸山手大学, 人文学部, 教授 (30140974) ; 奥村 弘 神戸大学, 文学部, 助教授 (60185551)
• キーワード: 都市 / 市民社会 / 町内会 / 空間 / エスニシティ / 祭祀 / 観光 / 自然保護

研究概要

本年度は、全体研究会とサブ・グループ研究会を、合計9回開催した。全体研究会では、「『市民性』の構成概念とその計量をめぐって」、「姫路市の展開と町内会」、「地域社会と観光-嵯峨野・嵐山の調査事例から」、「都市と宗教-真宗本山への納骨と埋葬地の内部構造」、「地方都市『篠山』の成り立ち-中間報告」等、計13本の理論的・実証的な研究報告が行われ、本科研のテーマである都市のなりたちに関する議論を深めた。
本年度、実施した主な実態調査は、(1)篠山市:自治会、町並み保存活動、自然保護活動、地域生活、町村合併等に関する調査。(2)尼崎市:木造住宅密集地の形成史、同郷会、被差別部落住民、在日韓国朝鮮人、廃棄物処理に関する調査。(3)神戸市:商店街、空間利用等に関する調査。(4)京都市:祇園祭神事、都市計画、インナーシティ高齢者、観光、納骨・埋葬等に関する調査。(5)大阪市:中国人技能実習生・研修生、都市空間等に関する調査。(6)中国東北地方:中国残留日本人とその家族に関する調査、等々である。これらはいずれも、本科研の計画において当初から予定されていたものであり、全体として調査研究活動は順調に進行している。
本科研の成果として発表された論文・図書は別掲の通りだが、それ以外に、学会・学会シンポジウムでの発表として、「在日韓国・朝鮮人と被差別部落の関係性」、「多民族社会・日本における階級・階層構造と文化変容」(以上、第53回関西社会学会大会シンポジウム)、「日系ブラジル人と日本人の労働-生活と文化変容」(第14回日本労働社会学会大会)、"De-naturalising ladscape as a practice of cultural production",3rd International Conference of Critical Geography(Bekescsaba, Hungary, 26 June 2002.)等がある。

研究成果

• [文献書誌] 山本賢治, 山本和江: "消費社会の危機と消費者問題"神戸山手大学環境文化研究所紀要. 6. 1-12 (2002)
• [文献書誌] 杉本久美子: "近代廃棄物処理システムの形成過程-近代産業都市「大阪」の事例から"大阪人間科学大学紀要. 2. 35-41 (2003)
• [文献書誌] 西田芳正: "都市地域における階層問題と教育の課題"TOMORROW. 17-1. 94-105 (2002)
• [文献書誌] 新垣正美, 浅野慎一: "ベトナム難民家族の青少年の生活とアイデンティティ"地域社会学会年報. 14. 190-210 (2002)
• [文献書誌] 浅野慎一, 広畑千春: "大学生の政治-社会意識とナショナリズム(2)"神戸大学発達科学部研究紀要. 10-1. 201-222 (2002)
• [文献書誌] 新垣正美, 浅野慎一, 中島藍: "ベトナム難民家族の青少年の生活と社会関係(1)"神戸大学発達科学部研究紀要. 10-2. 1-21 (2003)
• [文献書誌] 藤井和佐: "女性地域リーダーにみる「構造転換」その後:長野県池田町の事例から"村落社会研究. 38. 211-236 (2002)
• [文献書誌] 広原盛明, 岩崎信彦, 高田光雄編: "少子高齢化時代の都市住宅学"ミネルヴァ書房. 292 (2002)
• [文献書誌] 岩崎信彦, ケリ・ピーチ他編: "海外における日本人 日本のなかの外国人"昭和堂. 482 (2003)
• [文献書誌] 福武学術文化財団編, 小森星児, 山本賢治, 他著: "瀬戸内海に関する研究"福武学術文化財団. 225 (2002)
• [文献書誌] 神戸女学院大学文学部総合文化学科編, 小松秀雄, 他著: "知の贈りもの"冬弓社. 273 (2002)
• [文献書誌] 池田紘一, 真方忠道編, 大城直樹, 他著: "ファンタジーの世界"九州大学出版会. 325 (2002)