研究分担者 |
松村 一男 和光大学, 表現学部, 教授 (70183952)
不破 有理 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (60156982)
吉田 敦彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20054322)
目崎 茂和 南山大学, 総合政策学部, 教授 (80101187)
山本 節 静岡大学, 人文学部, 教授 (60024048)
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研究概要 |
世界の海洋神話の比較研究において、本年度はとりわけ、大洋州についての視野が広がったことが特筆される。この領域の専門家である同志社女子大の後藤明を研究協力者としてむかえ、7月の奈良でのシンポジウム「補陀落渡海」,一月の同志社大でのシンポジウム「海の怪物神話」において、従来のユーラシア大陸中心の比較を全地球的レベルにひろげることができた。7月のシンポジウムでは、海外からフィリップ・ワルテルほかの参加を得、国内では昨年にひきつづき中南米研究の三原幸久、朝鮮研究の依田千百子などの参加もえて、充実した討議ができた。この結果は200ページの報告書として印刷刊行している。なお、補陀落渡海を専門に研究する根井浄にも報告はなかったが、討議には参加してもらうことができた。ここでは世界の諸民族における海洋他界観の概要があきらかになった。一月は『海の怪物神話』として、中国研究の百田弥栄子らの参加もえた。 分担者は松村,山本、篠田、目崎がヨーロッパへ、丸山が沖縄,中国へ調査に赴き,とくに丸山は沖縄で,巨魚神話についていままで記録されていなかった伝承を発見するなどおおきな成果をあげた。 本年度は分担者のグループを中心とした執筆者たちによって750ページにおよぶ「神話・象徴・文学III」を刊行したほか、勉誠社から「鬼とデーモン」を刊行、洪水神話の刊行の準備にはいり、現在校正中である。またフランスでもグルノーブル大学想像力研究所の雑誌IRISで、昨年のシンポジウムの報告が印刷された。
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