研究課題/領域番号 |
13301020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本村 凌二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40147880)
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研究分担者 |
中村 雄祐 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60237443)
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70159606)
大貫 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138818)
高山 博 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90226936)
桜井 万里子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011329)
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キーワード | 地中海世界 / 古代 / 中世 / 社会史 / 識字率 / 初等教育 / 人口動態 / 社会変動 |
研究概要 |
まずは、初年度に作成したデータベース・文献目録を補充するとともに、必要な史料と文献を国内と海外から収集し、整理する作業から始まった。時代や地域に応じて文字史料の在り方が異なっているために、それぞれの専門知識をもつ研究者の助言や大学院生の協力が必要不可欠であった。これらの作業によって、基本的な史料と文献はほぼ集積されることになった。 それとともに、8回にわたる研究会を開催し、前近代杜会における諸言語ごとの情報伝達機能と読み書き能力の普及度の差異が検討された。そのなかで言語形成の諸要因を分析することが必要になり、シュメール語、アッカド語、アラム語、ヒエログリフなどアルファベット以前の言語の問題点を解明するために専門研究者の見解を拝聴した。さらに、言語の読み書きを検討するには、文字そのもののみならず記号や図象をも幅広く考慮すること、また、それらはできるかぎり描かれた現場の情況を把握してこそ分析可能なことが共通の認識となった。そのために、古代から中世にいたるギリシア語碑文の事情に詳しいルーシェ博士(ロンドン大学)を招きその助言を仰いだ。 こうして現場における生の史料とその保存情況を調査するために、数名は遺跡や文書舘のある現地に赴きデジタル・カメラおよびデジタル・ビデオにそれらを収録した。まだ許可を得られなかった史料も幾分残っているが、大方は収集することができた。それらの組織的分析と比較検討が次年度の課題である。
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