研究課題
本研究の初年度に当たる平成13年度は、3本の柱を立てて、研究の基礎を固める作業を中心に共同研究を行った。まず第一に、書誌学的調査を系統的に進めた。文学における身体の問題を扱った文献について、ここの分担者がその関心と専門領域に応じた書誌を作成しはじめた。資料調査については、数台めコンピューターを購入し、作業者を雇用して、データベースの構築をめざした。また、現在図書館にある文献では不十分なため、購入可能な文献、書籍をリストアップして入手した。その調査、分析はまだ端緒についたばかりであるが、今後の発展が期待される。第二に、分担者が「身体論」研究班、「啓蒙期・ロマン主義規の身体思想」研究班、「身体運動・舞踊論」研究班に分かれて討議を重ねながら研究を進めた。石井・小倉・大浦による身体論研究は、おもに文学理論の立場から、ロートレアモン、推理小説、ポルノグラフィーなど多様な分野に関しておこなわれた。増田・田口・多賀による18世紀研究は、感覚論や夢の言説を具体的な文学事例にそくして分析した。吉由・秋山・森本は17世紀の宮廷バレエから20世紀のディアギレフのロシア・バレエに至る舞踊の歴史を、文学との関連で研究した。第三に、以上の研究成果を発表するシンポジウムを開催し、吉田のコーディネートにより、分担者が自由に討論をおこなった。今年度は、秋山伸子がルイ14世と宮廷バレエについて、田口紀子が3人称小説における夢の言説について、吉田城がプルーストと喘息の問題について研究発表をおこなった。各分担者の実績の一部は次貢に掲げてある。
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