研究課題/領域番号 |
13301026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 城 京都大学, 文学研究科, 教授 (80127315)
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研究分担者 |
永盛 克也 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10324716)
増田 真 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10238909)
田口 紀子 京都大学, 文学研究科, 教授 (60201604)
多賀 茂 京都大学, 人間環境学研究科, 助教授 (70236371)
大浦 康介 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60185197)
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キーワード | literature / body / movement |
研究概要 |
本年度は「フランス文学における身体---その意識と表現」研究プロジェクトの3年目に当たり、各自のテーマに沿った研究を深化させ、その一部を2度のシンポジウムを通じて発表し、議論を深めることになった。第4回の研究会では多賀茂が「怪物と超人---ユートピア小説における身体をめぐる想像力」、小倉孝誠が「ゾラにおける身体・女・ジェンダー」、吉田城が「トラウマとしての幻灯---ボドメル博物館所蔵プルースト新資料による小説の推敲過程II」という題名で、これまでに積み上げた研究成果の一端を明らかにし、さまざまな視点からの討論を経て、今後の展望を示した。また第5回研究シンポジウムにおいては、内田樹(ゲストスピーカー)が「超-身体論」という題名で、文化と武道の干渉を、経験をもとにして講演した。また森本敦生が「運動像と無意識:ヴァレリー『カイエ』における身体の問題」について発表を行い、有意義な討論が行われた。また、本年度の備品関連では分量の増えたデータベース管理のためにパーソナルコンピューターを購入したほか、フランス国立図書館のマイクロフィルムを購入し、利用できるように研究環境整備を整えた。研究代表者吉田城は身体機能が文学にどのように反映されているか調査を続けている。神経症の問題に続き、呼吸器と喘息の問題をあつかった論文をしあげ、続編として身体の消化吸収機能の問題にアプローチした。9月には「プルーストにおける消化と不消化」という題名で国際シンポジウムで研究発表(仏語)をした。また11月には別の国際シンポジウムにおいてロラン・バルトとプルーストの関連を草稿の身体性という問題に絡めて発表した。身体の問題を文学テクストの関連で研究するとき、運動性、病気、欠損、想像力などさまざまな観点から見ることが可能である。最終年度に向けて、各研究分担者の関心をいっそうひろげ、斬新な成果をあげるべく努力している。
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