研究課題
本研究の最終年度に当たる平成16年度は、これまで3年間に個々の研究分担者、またグループ単位で積み上げた研究の成果を相互に検討し、討議を重ねて精密にすることに全力を注いだ。研究シンポジウムとして成果を定期的に発表し、研究代表者の吉田が統括し、それぞれの研究のもっとも重要な部分を原稿として提出することが最終的な目的とされた。その結果、文学と身体という問題から説話論や文体分析、生成研究、異文化論に至るまで広い視座を共通認識として持つようになった。代表者の吉田城は主として作家プルーストの身体性について、論考を二つまとめた。田口紀子は作家のポートレートにおける身体描写、増田真はディドロにおける身体の重要性、永盛克也は17世紀フランスの国家権力と身体表象の問題、大浦康介は文学におけるエロスの表現、森本敦生はヴァレリーの身体論、多賀茂は精神医学と奇形論、秋山伸子は宮廷舞踊のスペクタクルと身体、小倉孝誠はサウンドスケープの感覚表現、石井洋二郎はロートレアモンにおける身体の暴力性について考究した。身体の問題は単に文学表現にとどまるものではなく、歴史、心性史、異文化論、さらには政治やアイデンティティの問題など、ひろく文明を覆う射程をもつことが明らかになった。これらの研究の精髄はまず冊子体の研究報告書として、また手直しを経て単行本として出版すべく、鋭意作業中である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
Marcel Proust 4, Minard
ページ: 161-174
Barthes Resonance des sens, bullein of University of Tokyo, Center for Philosophy
ページ: 31-40
Actes du Colloque Gerard de Nerval 《Clartes d'Orient》 Nerval ailleurs, Universite de Paris VIII, Laurence Teper
ページ: 247-268
バレエ・ガイド2004(音楽之友社)
ページ: 140-142
Actes du colloque international de Pezenas 7-8 juin 2001 (印刷中)
グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成(21COEプログラム) 第2号
ページ: 25-35