研究課題/領域番号 |
13303004
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 常善 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (90093773)
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研究分担者 |
足立 文彦 金城学院大学, 現代文化学部, 教授 (70103215)
平川 均 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60199049)
北原 淳 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (30107916)
根本 二郎 名古屋大学, 経済学研究科, 助教授 (20180705)
塚本 隆俊 中京大学, 商学部, 教授 (00104836)
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キーワード | 東アジア工業化 / 地域産業集積 / 地場産業 / 経済の国際化 / 中小企業 / 流通システム / 農村工業化 / 市場経済化 |
研究概要 |
東アジアにおける地域工業化の特性と問題点についての比較研究を進めるために、多くの研究機関との共同研究を行い、その成果を翻訳出版するまでになっている。共同研究を行った相手側機関は、中国の場合、上海社会科学院、江蘇省社会科学院、四川省社会科学院、折江大学、東華大学であり、他に5地域8機関との共同研究を行った。 調査にあたり、名古屋大学の研究者を中心に基本的な問題関心を示し、その了解の上で、地域別の調査対象と調査項目を設定した。基本的な課題として掲げたことは、(1)中小企業の育ち易い国と、そうでない国があることについて学術的な根拠を明らかにすること、(2)同じ国の内部でも、それが育ち易い地域と、そうではない地域の存在していることについて明らかにすること、(3)特定産業が集中して発展してくる地域と、各種産業が入り乱れて拡大してくる地域があることについて社会経済的な根拠を示すこと、(4)中小企業の企業家に地域別の特性が窺われるかどうかについて注意する必要があること、(5)現代的な技術が地域経済の発展にどのように寄与しているのか明らかにすること、(6)インフラの整備や産業政策の寄与が明らかな場合は、それが企業経営にどのように寄与できたのかを示すこと、等々である。 共同調査の結果、中国沿岸部の一部では歴史的中小商工業の伝統が「社会主義的規制」によって大きな阻害要因を抱えていたこと、規制の後退とともに特異な発展が顕在化したことを確認した。東南アジア地域でも、国別の差異や地域別の特異性の大きなことが確認され、そこでは経営環境以外に歴史的な要因や社会的な慣習の意味も大きいこと、海外との経済的あるいは経営的な直接の接触がますます大きな役割を果たしつつあること、それが必ずしも地域の長期的な成長と結びつくものではないことを明らかにした。検討課題が残されているが、所期の目的は果たされたものと考えている。
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