研究課題/領域番号 |
13303007
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
筒井 義郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50163845)
|
研究分担者 |
池田 新介 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70184421)
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
晝間 文彦 早稲田大学, 商学部, 教授 (00063793)
堀 敬一 立命館大学, 経済学部, 助教授 (50273561)
井澤 裕司 立命館大学, 経済学部, 教授 (70222924)
|
キーワード | 選好パラメータ / 時間割引率 / 危険回避度 / 幸福度 / 時間視野 / アンケート調査 / 経済実験 / 損失回避 |
研究概要 |
前年度におこなった危険回避度実験と時間割引率実験の結果をもとに、研究論文を執筆した。早稲田大学の学生を対象とした場合は、全域で危険回避的という結果が得られたが、これが、金融の知識によるためであるかどうかを確認するために、本年度、早稲田大学において学生を対象とした追加経済実験をおこなった。時間割引率実験については、いわゆる双曲割引が見いだされた。また、両実験の結果を結合すると、時間割引率と危険回避度に負の相関が見いだされた。 前年度におこなったアンケート調査の結果を用いて、論文を執筆した。幸福度の分析では、性別、年齢、学歴などの基本属性、所得などの経済変数、信条・習慣などの他、選好パラメータが幸福度に及ぼす影響も調べた。時間割引率が高いほど、危険回避度が高いほど、不幸であるという傾向が認められる。人々の時間視野がどのように決まっているか、という論文も完成している。これらの研究成果を、行動経済学コンファランスを開催し、討論者を招いて議論した。 本年度は、Kahneman-Tverskyが主張する「損失回避」や「framing」効果が本当に見られるかどうかを確かめるために、損失・利得実験をおこなった(暫定的な結果はコンファランスで報告済み)。また、昨年度おこなった、危険回避・時間割引率実験を、中国の復旦大學で実施した。その目的は、(1)経済実験では金銭的インセンティブが重要であるといわれているが、通常の実験ではその額は小さい。ところが、中国においては相対的に大きな額を支払うことができるので、経済実験で金銭的インセンティブが重要であるかどうかを確認することができる、(2)活発に市場経済化しつつある上海では、人々の時間割引率が高く危険回避度は低いと思われるが、その事実が確認されるかどうか、である。また、先におこなった選好パラメータに関するアンケート調査と同様の調査を、高所得者層を対象に行った。
|