研究課題/領域番号 |
13304005
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
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研究分担者 |
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40125901)
金井 雅彦 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 教授 (70183035)
中山 裕道 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30227970)
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キーワード | 葉層構造 / 局所自由リー群作用 / 葉層コホモロジー / パラメータ剛性 / ホロサイクル流 / Ruelle不変量 / 一意エルゴード性 / 極小集合 |
研究概要 |
本研究の目的は葉層構造、さらには一般の離散群作用について、その幾何的ないしは力学系的諸性質を研究することである。 まず我々は、単連結Lie群Gの閉多様体M上への局所自由作用φを考える。このとき、M上には、φの軌道による葉層構造F_φが定まる。軌道葉層を同じくする他の局所自由なG作用がもともとの作用φと、Gの自己同形をのぞいて、Mの微分可能同相写像によって共役であるとき、φを、パラメータ剛性を持つという。このような性質を持つ、R-作用の例としては、T^2上の線形な流れで、その軌道の傾きがディオファンタス数であるものがある。また、パラメータ剛性を持つ流れは必然的に極小かつ一意エルゴード的でなくてはならない。従って、次の候補は、群PSL(2,R)の等質空間N上のホロサイクル流れであるが、これについて、Nが有理ホモロジー球面でないかぎり、パラメータ剛性を持たないことを示した。有理ホモロジー球面の場合は、今後の研究がまたれる。 また、関連して、ある種の可解リー群の局所自由作用はパラメータ剛性を有することが示された。この証明には軌道葉層の1次元葉層コホモロジーの計算が決定的な役割を果たす。一般に葉層コホモロジーを定める複体は、楕円的でなく、従ってそのコホモロジーは必ずしも有限次元とは限らない。むしろ、有限次元になる葉層の例を見いだすことの方が難しい。我々は軌道葉層の葉層コホモロジーの有限次元性を示すことに成功したのである。
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