研究課題/領域番号 |
13304011
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70204196)
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研究分担者 |
高岡 秀夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10322794)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80296748)
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
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キーワード | 非線型双曲型偏微分方程式 / 非線型分散型偏微分方程式 / 非線型クライン・ゴルドン方程式 / 非線型ディラック方程式 / 非相対論的極限 / 非線型シュレディンガー方程式 / 非線型散乱問題 |
研究概要 |
波動場の模型として本年度は非線型クライン・ゴルドン方程式、非線型シュレディンガー方程式等の単独スカラー場に加え非線型ディラック方程式やその電磁相互作用を考慮したベクトル場の数学的実現及び漸近解析の研究を行った。先ず非線型クライン・ゴルドン方程式及び非線型波動方程式に就いては通常のソボレフ空間の枠組で小さなデータによる時間大域解の構成を研究し共形冪及びそれより高い次数の非線型相互作用に対しては対応する臨界階数のソボレフ空間で藤田・加藤の原理が成立する事を証明した。非線型シュレディンガー方程式に就いては微分型相互作用の分類理論を従来のものより更に推し進め小さなデータによる時間大域解を保証する非線型構造の新しいクラスをジュブレイ型の函数空間の枠組で見出した。又非線型シュレディンガー方程式を非線型クライン・ゴルドン方程式の非相対論的極限と見做す処方の数学的基礎を確立しその数学的機構を低周波と高周波の相互作用と云う形で運動量空間で解明した。方程式系に就いては非線型ディラック場の自己相互作用系と電磁相互作用系を研究した。通常の三乗冪の自己相互作用系のディラック場の時空大域的実在は永年の未解決問題であったが小さなデータの下で劣臨界ソボレフ空間に於いてこれを肯定的に解決した。この問題では臨界ソボレフ空間が丁度エネルギー空間であるので臨界水準で解決するのが最も興味ある処であるが対応するクライン・ゴルドン場では特別な場合に反例が知られているので非線型構造にもう少し立入った考察が必要と考えられ今後の課題である。電磁相互作用系に対しては漸近場に対する質量項の影響を初めて明らかにし非線型構造と長距離・短距離相互作用の分類との間に興味ある関係を見出した。
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