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2002 年度 実績報告書

可換及び非可換ブロッホ理論

研究課題

研究課題/領域番号 13304012
研究機関東北大学

研究代表者

砂田 利一  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022741)

研究分担者 小谷 元子  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50230024)
新井 仁之  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10175953)
中村 周  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
中野 史彦  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10291246)
斉藤 和之  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60004397)
キーワード離散幾何解析 / 結晶格子 / 乱歩 / 大偏差原理
研究概要

ブロッホ理論に関連する離散幾何解析学の1つのテーマとして,有限グラフのアーベル被覆である結晶格子の上の解析学と幾何学を研究し,特に結晶格子上の乱歩に対する大偏差の性質を詳細に調べた.大偏差原理は極めて一般的枠組みで成り立つ確率論的な原理であるが,結晶格子上の乱歩の場合は,有限グラフの位相的性質と組合わせ論的性質が密接に関連し,大変興味深い結果を得ることができた.具体的には,エントロピー関数が有限な値を取る領域が凸多面体であること,実指標で捻った推移作用素の固有値の挙動とエントロピー関数との関連を見出したこと,さらに連続モデル(多様体上の拡散過程)との比較を行うことにより,著しい違いを見出したことなどが挙げられる.固有値の変動については,可換ブロッホ理論における実指標版と考えることができて,ユニタリ指標の場合が中心極限定理に繋がっていたことを考えると,興味ぶかい事柄である.これらの結果は,砂田と小谷による共同研究により得られたものである.砂田は,ユークリッド空間に実現された結晶格子の対称性を研究し,乱歩の漸近挙動の結果を用いることにより,「標準的実現」の場合が最も対称性を持つことを示した.さらに小谷は,磁場の離散版を考察し,磁場つきシュレディンガー作用素の離散類似であるハーパー作用素に対する中心極限定理を証明した.この他,藤原による離散群の研究,浦川による離散的ラプラシアンの研究などで,多くの成果を得ることができた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 砂田 利一: "Geometric aspects of large deviations for random walk on crystal lattices"Proc. of "Microlocal Analysis". 215-223 (2002)

  • [文献書誌] 砂田 利一: "Spectral geometry of crystal lattices"Contemporary Math. (発売予定). (2003)

  • [文献書誌] 小谷 元子: "A central limit theorem for magnetic transition operators on a crystal lattice"J. London Math. Soc.. 65. 464-482 (2002)

  • [文献書誌] 藤原 耕二: "On the outer automorphism group of a hyperbolic group"Israel J. Math. 131. 277-284 (2002)

  • [文献書誌] 藤原 耕二: "Bounded classes in the cohomology of manifolds"Geom. Dedicata. 12. 73-85 (2002)

  • [文献書誌] 浦川 肇: "Discrete improper affine speaces"J. Geom. Phys.. 45. 164-183 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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