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2003 年度 実績報告書

可換及び非可換ブロッホ理論

研究課題

研究課題/領域番号 13304012
研究機関明治大学

研究代表者

砂田 利一  明治大学, 理工学部, 教授 (20022741)

研究分担者 阿原 一志  明治大学, 理工学部, 講師 (80247147)
増田 久弥  明治大学, 理工学部, 教授 (10090523)
森本 浩子  明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
対馬 龍司  明治大学, 理工学部, 助教授 (20118764)
佐藤 篤之  明治大学, 理工学部, 助教授 (70178705)
キーワード離散幾何解析 / 大偏差理論 / ランダム・ウォーク / 結晶格子 / 磁場つき離散シュレディンガー作用素
研究概要

離散幾何解析学の適用分野の1つであるグラフ上のランダム・ウォークに関する研究をブロッホ理論の応用として行い、結晶格子の場合に大偏差理論を応用することにより周期的ランダム・ウォークに対するいくつかの結果を確立した(小谷、砂田)。ただし、各辺の両側に正確率を持つランダム・ウォークに限定して考察した。結晶格子のグロモフ・ハウスドルフ極限は大偏差理論と密接に関係することを見出し、極限空間の距離関数を明示的に表現した。この距離関数の単位球は凸多面体であり、その特徴づけを行うために、有限グラフの組合せ論を展開し、すべての面の組合せ論的特徴づけに成功した。ここで考察する有限グラフは、結晶格子を格子群で割って得られるグラフである。その結果、頂点はグラフの単純閉曲線に対応することが分かった。さらに、大偏差原理に登場するエントロピー関数を調べ、その有限値領域が上記の凸多面体と一致することを確かめた。そして、凸多面体の境界上でのエントロピー関数の値を明示的に与えることに成功した。これは、グリーン関数の漸近挙動の研究に応用されることが期待される。
結晶格子上の一般の周期的ランダム・ウォークについては、その既約性が問題になる。すなわち、有限グラフ上のランダム・ウォークが既約と仮定しても、一般にはそのリフトとして得られる結晶格子上のランダム・ウォークが既約とは限らない。この場合、エントロピーの有限値領域は次元的に退化した凸多面体になる。この凸多面体が原点を内部に含むことが既約性に条件となることを見出した(砂田)。
結晶格子に周期的磁場をかけることにより、ランダム・ウォークの推移作用素はいわゆるハーパー作用素の一般化である磁場つきシュレディンガー作用素が得られる。この作用素のスペクトルは一般にはバンド構造を持たないことが知られているが、何らかの意味で磁場に関する連続性を有することが期待される。磁束を群のコホモロジー類として捉え、さらにC*環の概念を用いることにより、小谷は連続性についての研究を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Kotani: "Spectral geometry of crystal lattices"Contemporary Math.. 338. 271-306 (2003)

  • [文献書誌] M.Kotani: "An asymptotic behavior of the transition probability of a random walk on a crystal lattice"Contemporary Math.. (2004)

  • [文献書誌] T.Sunada: "Geometric aspects of large deviations for random walks on a crystal lattice"Proc."Microlocal Analysis and Complex Fourier Analysis". 215-223 (2002)

  • [文献書誌] K.Fujiwara: "On the outer automorphism group of a hyperbolic group"Israel J.Math.. 131. 277-284 (2002)

  • [文献書誌] F.Nakano: "Anderson localization for 2D discrete Schrodinger operators with random magnetic fields"Ann.Henn.Poincare. 4. 795-811 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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