研究課題/領域番号 |
13304014
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
高橋 忠幸 宇宙科学研究所, 次世代探査機研究センター, 教授 (50183851)
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研究分担者 |
黒田 能克 三菱重工業株式会社, 名古屋誘導推進システム製作所, 主任(研究職)
能町 正治 大阪大学, 理学系研究科, 教授 (90208299)
尾崎 正伸 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (90300699)
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キーワード | CdTe / CZT / CdZnTe / ピクセル検出器 / 放射線検出器 / ガンマ線 / 検出器 |
研究概要 |
我々が開発を続けてきた、高いエネルギー分解能を持つCdTeダイオード素子を用いたガンマ線ピクセル検出器の開発を続けると共に、21.5mm角(厚さ0.5mm)というこれまでにない、大面積CdTeダイオード検出器の試作を行った。検出器は、非常に優れた一様性を示し、エネルギー分解能2.7keV(FWHM)を得る事ができた。宇宙観測に用いるために、25Gにもおよぶ振動や音響試験を行うと共に、150MeVの陽子ビームを用いた試験を行い、放射線損傷などが起こらない事を確認し、またアクテイベーションの効果などについて試験を行った。この検出器をガンマ線観測に応用するために新しい概念として、多層に積み上げて、独立に読み出す検出器を考案し、実際に3層から40層の検出器を完成させた。従来、CdTe半導体は、電荷の収集効率が悪いため、0.5cmから1cmを超えるような厚い結晶を用いた検出器が作られていない。多層の検出器ではそれぞれの層に十分に高い電圧を加えることが可能なため、完全に電荷を収集することができる。将来の実験にそなえ、3層を重ねた検出器による気球実験を試験的に行い、上空30kmにおける0.5mmの検出器を40段重ねた場合には、全体の厚みが2cmになる。多層の検出器ではそれぞれの層に十分に高い電圧を加えることが可能なため、完全に電荷を収集することができる。将来の実験にそなえ、3層を重ねた検出器による気球実験を試験的に行い、上空30kmにおけるバックグラウンドスペクトルをとることに成功した。昨年度試作したピクセル検出器の試験結果に基づき、新しいチップのデザインを行った。
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