研究課題/領域番号 |
13304021
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 聡 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (30318828)
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研究分担者 |
滝沢 京子 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (80339746)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (10329138)
岡田 宏之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (20308258)
竹内 康雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60272522)
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (90220011)
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キーワード | 液体-気体二相型検出器 / 液体キセノン検出器 / 暗黒物質 |
研究概要 |
有効質量20kgの検出器を設計するために、有効質量lkgの検出器によるテスト実験を開始した。神岡地下実験施設のクリーンルーム内に放射線遮蔽を含むテスト検出器を設置し、バックグランドの測定を行った。結果は、目標の値よりも2桁以上悪かった。その最も大きな要因としては、従来の光電子増倍管を使用したことにある。そのため、浜松ホトニックスと共同で低バックグランド光電子増倍管を開発した。もう一つの要因としては、陽極部の金メッキタングステンワイヤーが緩んだため、小さな放電が液体キセノン中でおこり、低エネルギー部の雑音となりバックグランドγ線の識別能力が落ちたことが挙げられる。ワイヤーの固定方法に関しては、これまでの半田の代わりに、より確実なスポット溶接を用いることにした。 それと平行して、低バックグラウンドゲルマニウム検出器や質量分析器を用いて検出器自身および検出器周辺の物質の放射性不純物濃度を測定し、更なる物質の選定を行った。これらの放射性不純物濃度の測定結果を基に詳細なシミュレーションを行い、それとテスト検出器によるバックグランド測定の結果を比較検討した。その結果、検出器を断熱するためのステンレススチール製の真空容器が大きなバックグランド源となることを突き止めた。以上の結果を踏まえ、シミュレーションによる光の収集効率の最適化を行い、無酸素銅製の20kg検出器を設計し、その製作を開始した。 キセノン中の放射性不純物の含有に関しては、2種類の純化装置をテストした結果大きな差がみられた。即ち、従来使用していたOxisorb(モレキュラーシーブス+Cr合金)からは多量のウラン、トリウム系列の放射性不純物が認められたが、SAESゲッター(Zr+Vゲッター)からは殆ど認められなかった。さらに高度な純化装置を目指して、蒸留を用いた方法を太陽東洋酸素の協力を得て研究・開発を開始した。
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