研究課題/領域番号 |
13304021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 聡 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (30318828)
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研究分担者 |
滝沢 京子 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (80339746)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138)
岡田 宏之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (20308258)
大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際センター, 助手 (30311335)
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50313044)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 暗黒物質 / 液体キセノン / 比例蛍光 / WIMPs / 2相型検出器 / 神岡地下実験室 |
研究概要 |
テスト用1kg検出器を製作し、キセノンのシンチレーション光に対する反射材としてPTFEテフロンを使用した。その性能試験を行った結果、PTFEの反射率が90%前後と非常に高いことを確認した。また、10keV以上のγ線とキセノン反跳核の信号の識別能力が99%以上であることを確認した。さらに、低バックグラウンド用光電子増倍管の開発を浜松ホトニックスと共同で開始した。平成13年8.月末、神岡地下実験施設内に放射線遮蔽を含むテスト用1kg検出器の設置を終え、バックグラウンドの測定を開始した。まず、キセノン中の放射性不純物の含有に関しては、2種類の純化装置をテストした。Oxisorbからは多量の放射性不純物が認められたが、SAESゲッターからは殆ど認められなかった。低バックグラウンドゲルマニウム検出器や質量分析器を用いて検出器自身および検出器周辺の物質の放射性不純物濃度を測定し、使用材質の選定を行った。さらに、これらの測定結果を基に詳細なシミュレーションを行い、それと測定結果を比較検討した。その結果、光電子増倍管と検出器を断熱するためのステンレス製の真空容器が大きなバックグランド源であることを突き止めた。以上、測定結果は、目標の値よりも1桁程度悪かったが、原因は究明されており、改良を加えることにより世界のトップレベルに到達できることが分かった。この結果を踏まえて15kg検出器の断熱真空用容器は無酸素銅を使用し、光電子増倍管に関しても、さらなる低バックグラウンド化を進めていく方針である。この検出器の特徴である、バックグラウンドの識別能力に関は低エネルギー部において、未だ99%以上という目標には達していない。その要因としては、陽極部のワイヤーが緩んだため、小さな放電が液体キセノン中でおこり、低エネルギー部の雑音となりバックグランドγ線の識別能力が落ちたことが挙げられる。このワイヤーの固定方法に関しては、これまでの半田付けの代わりに、より確実なスポット溶接を用いることにした。ワイヤー中に無視できない量の放射線不純物が含有していることが分かったので、ワイヤーの径を30μmから10〜20μmの物に変えることにした。以上の結果を踏まえて、15kg検出器の設計、製作を行った。
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