研究課題
基盤研究(A)
多面体クラスタから形成されるシリコンおよびゲルマニウムのナノクラスタ結晶に関して、d-電子系ならびにf-電子系元素を導入した新しい物質群を合成して、その物質群から観測される様々な電子物性を測定する事により、クラスタ物質の伝導と磁性の研究を行った。これらの物質では伝導電子・磁性電子・フォノンが密接に関係して、超伝導および強磁性・反強磁性などの種々の興味ある電子相転移が発現する。本研究では、Geの正12面体物クラスタネットワーク結晶にd-電子系であるMnを導入して興味ある磁性を発現させる事に成功した。この物質は、10Kで強磁性転移を示す。また、更に低温でスピングラス的な磁性の変化をします。本研究では、f-電子系磁性元素をシリコン多面体から構成されるクラスタ結晶に導入する試みを行ったが、構造決定の誤りにより失敗した。しかしこの研究がきっかけとなり、f-電子系磁性元素であるEuが多面体クラスタ結晶に導入された物質がMaxPlanck研究所で見出された。現在では、研究当初に想定したd-電子系およびf-電子系多面体磁性クラスタ結晶が存在する状況へと研究が進展した。一方、Baがシリコンクラスタ系Si_<46>ナノ多面体物質に導入される場合は、超伝導が観測されることは既に報告されている。本研究では、^<28>Siと^<30>SiのSi同位体を用いた純粋な物質を合成して、超伝導機構を超伝導同位体効果と比熱の観点から研究した。その結果、シリコン多面体ネットワーク物質の超伝導機構は、C_<60>超伝導体と同じように電子-格子相互作用がその基本である事を明白にする事に成功した。Baの場合には、Baの5s、5p軌道とSi_<20>面体クラスタ軌道の混成により、フェルミ面の状態密度が非常に高くなることが、超伝導臨界温度が高い理由であることを立証した。多面体ネットワーク物質からは、今後更に興味ある物質が発現すると思われる。
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