研究課題
平成9年度より、文部省の新たな国際事業として日英科学技術協力事業が発足した。この事業は、日本と英国が協力して、英国ラザフォードアップルトン研究所の大強度スポレーションパルス中性子源施設ISISに単結晶専用高性能チョッパー型中性子分光器MAPSを建設し、中性子散乱による先端的物質科学研究を行うものである。日本側は主として、中性子検出器の開発及び設置を分担した。これらの設置は平成12年度に完成し平成13年度11月まで、調整作業が行われ、その後一般利用が開始された。本研究ではこの共同建設作業、利用と並行し、すでにISIS施設に設置されている中性子分光器を用いた先端的共同利用研究を進める。このために、必要な日本側研究者を派遣する。また、英国側からも成果の報告、研究打ち合わせのために、研究者を招く。なお、本研究協力事業は、平成8年12月2日高エネルギー加速器研究機構(KEK)と英国中央研究所審議会(CCLRC)の間で締結された。平成13年度は、MAPSの総合的試験運転と一般の研究課題実施のために、のべ27名の日本人研究者を英国ラザフォードアップルトン研究所に派遣した。また、研究成果の議論、成果発表のために、海外より10名の外国人研究者を招聘し研究会を開催した。研究の実験費等の支出は、同基盤研究と並行して進められている特定領域研究(B)「大強度パルス中性子による局所スピン・原子構造とそのダイナミックスの研究」をあてる。
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