研究分担者 |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助手 (30301112)
須田 直樹 広島大学, 理学研究科, 助教授 (10222069)
田平 誠 愛知教育大学, 教育学部授, 教授 (80024008)
西田 究 東京大学, 地震研究所, 特別研究員PD
小林 直樹 東京工業大学, 理学系研究科, 助手 (30272660)
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研究概要 |
今年度、常時地球自由振動の励起源の探索と未発見の常時大気自由振動の検出とを目的として、地球自由振動帯域における大気圧変動の高分解能アレー観測のための計測システムを開発した。 今後、人工擾乱がなく、且つ風による動圧擾乱を木々が有効に軽減する絶好の観測サイトである東大農学部千葉演習林に南北10km、東西5kmに0.5km感覚で高分解能気圧計を展開する。 演習林内ではAC電源は取ることができないため、バッテリー駆動による現地収録型システムである。 観測システムについて 周波数1-10mHzの帯域における高分解能気圧変動観測を目指し、センサーには気圧変化に敏感な水晶振動子の周波数を出力するパロサイエンティフィック社のMODEL216B-250を採用した。記録計は適当な市販品がないため自作設計した。その概要はつぎの通り: (a)センサーは圧力測定用水晶と温度測定用水晶を内臓しそれぞれの発振パルス(約35kHz及び147kHz)を出力する。本記録計では出力された2種のパルスの周波数から温度補正して気圧をもとめるため高精度で測定できる。周波数から気圧値を求める作業は研究室でパソコンを用いて行う。 (b)記録計は超高精度基準クロック(10MHz,0.1ppm,TEMEX社QEM77)を内臓し、出力パルスの第0番目/n番目の立ち上がりと、1/nカウンターのゲートのON/OFFの同期を高精度で制御し、ゲートON期間中の基準クロックのパルス数を1パルス(50nsec幅)以下の誤差でカウントする。サンプリング時間(=ゲートON+待機時間)は0.1s,1s,10sの3種とし、待機時間が最小となるようにn値を手入力する(10sの場合の分解能は約0.01ppm)。 (c)コンパクトフラッシュに書き込むデータフォーマットは、時刻ラベルなどのヘッダ情報を含んだ4Kバイト固定長ブロック。 (d)サンプリング速度1sの場合で全消費電流は35mAh以下、DC12Vのエアアルカリ電池により約10,000時間駆動、128MBコンパクトフラッシュで40日以上記録。
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