研究課題/領域番号 |
13304036
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
谷口 真人 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80227222)
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研究分担者 |
馬原 保典 電力中央研究所, 研究員
嶋田 純 熊本大学, 理学部, 教授 (80206169)
蒲生 俊敬 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70143550)
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70237072)
木下 正高 海洋科学技術センター, 研究員 (50225009)
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キーワード | 海底地下水湧出 / 物質負荷 / 海水-地下水相互利用 / 沿岸環境 / 陸-海相互作用 |
研究概要 |
海底地下水湧出とそれに伴う物質負荷を明らかにするために、駿河湾安倍川河口域において、陸域および船を用いた沿岸域での調査、東京大学海洋研究所の淡青丸を用いた海域観測を行なった。陸域における調査では、沿岸周辺域の井戸を用いて地下水調査を行ない、地下水位・水温・pH・電気伝導度の測定と、地下水の採取を行なった。地下水サンプルは実験室において、陰・陽両イオン濃度、酸素/水素安定同位体比の分析を行なった。観測の結果、陸域から海域への地下水流動系が特定され、海底湧出地下水と陸域地下水の連続性が確認できた。また、水質データを用いて、海底湧出水に占める淡水成分の割合を明らかにすることが出来た。 また、沿岸域においては、ピエゾメータによる海底地下水ポテンシャルの測定と、自記地下水湧出量計による海底地下水湧出量連続測定を行なった。測定の結果、安倍川河口域の沿岸海底で平均2.3x10^<-6>-1.8x10^<-5>m/sの海底地下水湧出量を得た。また、水深20-30m地点における自記地下水湧出量計での測定結果から、4.7x10^<-7>-1.2x10^<-6>m/s程度の海底地下水湧出速度が得られた。 さらに、比抵抗トモグラフィー法による塩淡水境界面の推定を行なった。水陸両用ケーブルを用いて、海岸に直行する側線と平行する側線、さらに沖合い海底下での比抵抗測定を行なった。3時間ごとの比抵抗連続測定の結果、塩淡水境界面が潮汐の影響を受けてタイムラグを伴いながら陸側に伝播すること、海岸線の後退に伴う土壌水分減少の影響を考慮する必要があること、等が明らかになった。また、観測船(東京大学海洋研・淡青丸)を用いた海底グラビテイーコアの採取と間隙水の分析結果から、陸水との連続性・鉛直流体フラックスの推定も試みた。
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