昨年度に納入された超臨界水発生装置超が順調に稼働を始めた。その結果、以下の点が明らかになった。 1.この装置自体の操作は比較的簡単で、安定して〜500℃までの温度、40MPaまでの圧力を発生させることができた。 2.圧力容器の内部の温度は炉の温度と最高で200℃違うことを見いだした。圧力容器の内部の温度をコントロールするためには若干の工夫が必要である。実験を繰り返すことで、どのように炉の温度を上げていけば圧力容器の温度を安定させることができるのか把握した。 3.点接触変形を受けた石英試料を圧力容器の水中に入れ、水を超臨界状態にする実験を行った。超臨界になっている実験時間は約15分であった。この試料を原子間力顕微鏡で観察した結果、明らかに溶解が進行していることが分かった。 4.亜臨界状態で同様の実験を行ったが、200℃、40MPa、15分の実験では、かすかに溶解が起こっていることを示す画像が原子間力顕微鏡によって得られた。 5.メノウの試料で同様の実験を行ったが、溶解する料が石英よりもはるかに多量であることが分かった。 6.この装置で、超臨界状態を長時間保つ実験を行った。20時間程度までは温度-圧力は安定していたが、それ以上長時間になると圧力が下がってくることが分かった。この問題点については来年度に検討する予定である。
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