研究分担者 |
村山 雅史 高知大学, 海洋コア研究センター, 助教授 (50261350)
的場 保望 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (30006663)
本山 功 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80295295)
入野 智久 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (70332476)
山本 正伸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60332475)
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研究概要 |
本研究は、平成13年の6月にフランスの研究船Marion Dufresneによって採取された鹿島灘沖の海底コア(長さ45.82m)について、9名の分担者と2名の協力者によって学際的総合研究を実施し、過去14万年間の当海域の古環境変化を高分解能で復元して、次のような知見が得られた。 1.δ^<18>Oカーブは標準δ^<18>Oカーブと類似しており、ほぼ連続的にMIS6(14万年前)まで達している。 2.Opal%とCaCO_3%はそれぞれ10〜20%と数〜10%で、主に砕層物(70〜90%)から成り、砕層物はMIS2と6に多い。 3.色(L*,a*,b*)の変化は、Opal,CaCO_3,砕層物の量比と一致していないことから別の要因による。 4.砕層物の主成分はスメクタイト・イライト・緑泥石・角閃石・石英・長石・火山灰で、これらの量的変化は粒度と供給源の相違による。 5.珪藻はOpal%と同様に間氷期に多い。TdはMIS6で低く、MIS5e,5c,5aで高い。 6.ココリスのTnはMIS4と5a以外の時代にδ^<18>Oカーブと同調し、湧昇種は5e,5c,5aで多い。 7.浮遊性有孔虫の黒潮群集はMIS1と5で多く、親潮群集とN. pachydermaの左巻きはMIS2と6で多い。N. pachydermaの左巻きの頻度から、MIS2と6の時代は現在の下北沖から襟裳沖の海況が鹿島沖まで南下していた。 8.底生有孔虫の頻度は、MIS1〜2と6で浮遊性有孔虫の頻度と同調し、殻の保存の影響を受けているが、MIS3〜5の時代は同調せず、海洋の表層と深層で環境変化が異なっていた。 9.アルケノン濃度はMIS6〜5で高く、MIS4以降は半減して構成種の相違が考えられるが、算出された古水温はδ^<18>Oカーブと調和的である。
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