研究概要 |
Phase A,Mg_7Si_2H_6O_<14>の結晶構造を放射光の超強力X線とダイヤモンドアンビルを用いた高圧下単結晶X線法で9.4GPaまで調べた.その結果,体積弾性率はforsterite,Mg_2SiO_4より小さく,理論的に予想された結果に一致することがわかった.また,構造中に存在するO-H---O水素結合のO-O距離は加圧と共に減少し,その減少率はbrucite,Mg(OH)_2におけるそれとほぼ等しいことがわかった.地球の上部マントル下部の主要構成鉱物である,wadsleyite, Mg_2SiO_4とringwoodite,,Mg_2SiO_4にも水を含むものが知られており,hydrous wadsleyiteとhydroous ringwoodieeとの構造的関係を相転移のメカニズムとの関連で考察した.その結果,hydrous wadsleyiteとhydroous ringwooditeの結晶構造的関係を相転移のメカニズムとの関連で観察した.その結果,hydorous wadsleyiteの結晶構造解析の結果に見出された第二のSiサイト出現の原因が相転移と関係している可能性が強く示唆された.従来,humite groupの鉱物の結晶構造はforsterite,Mg_2SiO_4とbrucite,Mg(OH)_2の組み合わせで説明されているが,本研究では,forsetriteからその構造の一部を除いた組換え構造とみなすことが出来ることを示した.これにより,新たにhumite groupの鉱物とよく似ているがhumite groupの鉱物とは異なる,水を含んだforsetriteに相当する含水相を新たに予測し,この新しい相は従来humite groupの鉱物と思われていたものの中に見逃されていた可能性があるため,humite groupの鉱物試料について単結晶X線法で調べ散漫錯乱によるストリークを示す試料を見出した.
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