研究課題/領域番号 |
13304042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金川 久一 千葉大学, 理学部, 助教授 (40185898)
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研究分担者 |
竹下 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30216882)
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
伊藤 谷生 千葉大学, 理学部, 教授 (50111448)
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291480)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 超塑性流動 / 変形微細構造 / EBSD / 結晶方位配列 / マイロナイト / 花崗岩 / ハンレイ岩 / カンラン岩 |
研究概要 |
地殻中部、地殻下部、マントル最上部でそれぞれ形成された、阿武隈山地畑川破砕帯花崗岩マイロナイト、日高変成帯パンケヌーシハンレイ岩マイロナイト、日高変成帯ウェンザルカンラン岩マイロナイトについて、詳細な変形微細構造解析と後方散乱電子線回折(EBSD)法による構成鉱物の結晶方位解析を行い、以下のような結果を得た。 花崗岩マイロナイト、ハンレイ岩マイロナイト、カンラン岩マイロナイトのいずれにおいても、反応生成物を主体とする粒径50μm以下の細粒多相集合体への変形集中が認められるにもかかわらず、その主要構成鉱物粒子に形態配列も結晶方位配列も認められなかった。従って、細粒多相集合体の変形機構は粒界すべりであったと判断される。すなわち、地殻中部、地殻下部、マントル最上部においてマイロナイト中の反応生成物主体の細粒多相集合体は超塑性流動していたと結論でき、我々は地殻〜マントルにおける超塑性流動の検証に成功した。 花崗岩ウルトラマイロナイトとカンラン岩マイロナイトでは、細粒多相集合体がマイロナイトのレオロジーを支配しており、これらのマイロナイトは超塑性流動していたと考えられる。一方、ハンレイ岩ウルトラマイロナイトでは斜長石集合体がマイロナイトのレオロジーを支配している。斜長石集合体中の斜長石粒子には形態配列と結晶方位配列が発達することから、斜長石は転位クリープによって変形していると判断される。従って、ハンレイ岩ウルトラマイロナイトのレオロジーは斜長石の結晶塑性流動で近似され、ハンレイ岩ウルトラマイロナイトは超塑性流動するには至っていない。
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