研究課題/領域番号 |
13304043
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦辺 徹郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50107687)
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研究分担者 |
小暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50282728)
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00253295)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50214044)
遠藤 一佳 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (80251411)
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キーワード | イオウ同位体 / 海底熱水系 / 硫化鉱物 / 硫酸還元バクテリア / 硫酸塩鉱物 / 炭素同位体 / 水曜海山 |
研究概要 |
海底熱水系・冷湧水系におけるさまざまな化学反応が、微生物の働きによって起こっているのか、非生物学的反応によるのかは、興味ある問題である。これらの過程を調べる上で、反応物および生成物のイオウおよび炭素同位体を分析する事はおおきな手がかりを与える。そこで、本研究ではさまざまな海底熱水系・冷湧水系において、同位体の分析を行った。 小笠原弧のデイサイト質島弧火山である水曜海山の海底熱水系中には、硫酸還元バクテリアが優勢に棲息するが、それの活動が熱水系に及ぼしている影響を熱水の化学組成の変化として確認することには成功していない。そこで、海底下の堆積物、岩石中に見られる黄鉄鉱のイオウ同位体の測定を行ったところ、東部熱水帯の浅部において中央部の熱水地帯に比べ、2-3パーミル程度軽い、0パーミル前後のものが見つかった。一方、硫酸塩鉱物である硬石膏、重晶石の酸化イオウの同位体比は海水中の硫酸イオウのそれに等しく、海水起源であることが分かった。東部熱水系の黄鉄鉱の還元種イオウは、この海水イオウが無機的に還元されたものであると考えられる。というのも、バクテリアによる還元であるとすると、より軽い同位体比が期待されるからである。 質量分析機の試料導入部にガスクロマトグラフィー装置を取り付け、炭素数の異なる炭化水素毎に炭素同位体を測定することに成功した。 また、環球弧の海底冷湧水地域におけるメタンシープについてメタンおよび炭酸塩鉱物の炭素同位体の分析を行い、後者がメタンの酸化によって生成したものであることを明らかにした。
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