研究課題/領域番号 |
13304045
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70126142)
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研究分担者 |
天川 裕史 東京大学, 海洋研究所, 講師 (60260519)
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キーワード | 超微量貴金属元素 / 海洋物質循環 / 白鳳丸 / 希土類元素 / 水塊トレーサー / ボルタンメトリー / 表面電離質量分析 / ネオジム同位体 |
研究概要 |
海水中の超微量貴金属元素の分布と挙動を明らかにし、海洋物質循環に果たす役割解明が本研究の目的である。2000年6-7月にかけて白鳳丸で北太平洋から採取した海水試料の銀、タリウム、希土類元素の分析を行なった。また、ベンガル湾の希土類元素の分布を支配する要因として、鉛直的な粒子沈降と粒子-海水間の相互作用が重要であることをモデルを用いて指摘した(Earth and Planetary Science Lettersに投稿中)。このモデルは、他の微量元素についても同様の考えが成り立つことが期待される。また、希土類元素のパターンが、とくに東インド洋の深層水および中層水で異なることをはじめて示し、希土類元素が他の元素では分からないユニークな水塊トレーサーとして極めて有効であることを示した(Deep-Sea Researchに投稿中)。さらに、マンガンノジュールの年代測定と貴金属元素の分析を行ないつつある。新しくボルタンメトリー用にVAトレースアナライザーを購入し、基礎実験をはじめた。これにより白金の分析が可能になりつつある。負イオン質量分析においては、オスミウムの分析の基礎実験を完了し、試料の分析が行える状態に達した。 本年度の白鳳丸のKHO1-3次研究航海では、中部および南太平洋から新たに数多くの海水試料を採取した。とくに、表面電離質量分析によってセリウムおよびネオジム同位体比を測定するため、3トン以上の海水からマンガンファィバーに吸着濃縮した。これらの試料は、今後鋭意分析を進める。
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